1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08751088
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日下 英史 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (60234415)
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Keywords | 微粒子 / 液-液抽出 / 白金 / ザンセ-ト / ヘキサメタリン酸ナトリウム |
Research Abstract |
本研究において、貴金属微粒子、特に自動車廃触媒中に含有する貴金属を対象とし、油-水系の分離法である液-液抽出法を適用した場合、貴金属特に含白金微粒子を担体から分離回収する基礎試験を試みた。 まず、界面活性剤無添加の系で油を種々変化させて液-液抽出試験を行った結果、ケロシンやイソオクタンなど官能基を有さない油を用いることにより、浮上回収産物中の白金品位を著しく増大させることができた。一方、ケトン類、エーテル類など官能基を有する有機溶媒を油粗として用いた液-液油出試験では、貴金属微粒子の濃縮は殆ど認められなかった。また、これらの系で水相pHの影響を検討したところ、中性pH領域で貴金属品位、回収率ともに最大であった。 次いで、イソオクタンを油相として用いた液-液抽出において、各種添加剤の影響について検討した。その結果、界面活性剤としてアミルザンセ-トを最滴濃度で使用すると白金品位、回収率ともに著しく向上されることが確かめられた。また、分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを単独使用してもさほど効果は認められなかったが、上記2種試薬を併用すると品位の増加が認められた。 最後に、予備処理として粉砕により単体分離度を上げること目的に、廃触媒試料の粒度の影響を検討した。その結果、試料粒度が小さくなると白金回収率は増加するが、白金品位は低下する傾向を示した。このことから、試料粒子が細かくなるほど、ヘテロ凝集により担体粒子、貴金属粒子ともに油相中に移行しやすくなることを考察した。
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