1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08760011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 治人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60225886)
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Keywords | 光合成 / 澱粉含量 / イネ / New plant type / 呼吸 / 登熟歩合 / 収量 / 転流 |
Research Abstract |
国際イネ研究所(IRRI)で育成された少分げつで穂重型のTropical Japonica型イネIR-65598-112-2(IR-65)とIR-66740-AC1-3(IR-66)、従来のタイプのIRRIの多収品種IR-72、日本の穂重型多収品種タカナリおよび、日本稲のうちで光合成の高い品種アキヒカリ、低い品種ササシグレを密植栽培により分げつを減らし、比較することにより次の結果を得た。 1.Tropical Japonica型イネのIR-65,IR-66の一穂穎果数は多かったが、登熟歩合は他の品種に比べて極端に低かった。 2.主茎止葉での光合成能力は単位葉面積当たり、止葉1枚あたりともにIR-65、IR-66は全生育時期を通じて他の品種より低かった。 3.呼吸においては乾物重と相関があり、タカナリやIR-65は呼吸が大きかったが、乾物当たりの呼吸には他の品種と差がなかった。 4.登熟にともなってIR-72および日本稲は全乾物重が増加したが、IR-65,IR-66は全乾物重の増加は顕著ではなかった。 5.IR-65、IR-66は他の品種に比べ出穂前の澱粉蓄積量は多かった。また出穂後における澱粉含量の減少量は極端に大きく、出穂前同化産物の穂への寄与率が大きいことが示唆された。 澱粉の出穂前蓄積が多く、出穂後極端に減少すること、全乾物量の増加は顕著ではなかったことより、IR-65,IR-66は出穂前の物質生産が収量に大きく寄与していると考えられた。また日本稲においては出穂後の止葉光合成による物質生産が寄与していると考えられた。
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