1996 Fiscal Year Annual Research Report
酵母のイノシトールリン脂質を介した分泌タンパク質輸送機構の解明
Project/Area Number |
08760090
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
竹川 薫 香川大学, 農学部, 助教授 (50197282)
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Keywords | PI3-キナーゼ / PI4-キナーゼ / 分裂酵母 / 糖タンパク質 / CPY / 液胞 |
Research Abstract |
動物細胞において、ホスファチジルイノシトール(PI)による代謝開店の増進が見られる。最近の研究でPIの代謝回転はシグナル伝達経路のみならず、タンパク質の分泌経路にも非常に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。そこで本研究では現在、注目を集めている脂質キナーゼファミリーの酵母における機能の解析を行う目的で分裂酵母Schizosaccharomyces pombeのPI-キナーゼのクローニング、さらにS.pombeの分泌糖タンパク質輸送に関与する糖鎖生合成経路について解析を行った。 (1)分裂酵母PI4-キナーゼホモログ遺伝子をゲノムライブラリーからPCR法を用いて単離しpik4+遺伝子と命名した。アミノ酸配列の決定を行ったところ、2ケ所のイントロンを含む1,925アミノ酸から成り、出芽酵母のPI4-キナーゼであるStt4タンパク質と32%の相同性を示した。また遺伝子破壊実験の結果、pik4+遺伝子は生育に必須であることがわかった。Pik4タンパク質に特異的な抗体を作製し、細胞内タンパク質の分画を行ったところ、本タンパク質は膜画分に局在することがわかった。(2)分裂酵母の分泌タンパク質の解析のためのマーカーと成りうる液胞カルボキシペプチダーゼY(CPY)とインベルターゼのクローニングを行った。また分裂酵母CPYの液胞への輸送シグナルはプロペプチド中に存在することを明らかにした。(3)分裂酵母の分泌タンパク質の糖鎖付加機構を解析する目的でガラクトース残基の付加されないgms1変異株を取得した。gms1変異を相補する遺伝子を単離したところ、昨年明らかにされたヒトUDP-ガラクトース輸送体と非常に高いホモロジーを示した。gms1+遺伝子破壊株では種々の薬剤に対する感受性が増加して、実際にUDP-ガラクトースのゴルジへの取り込み活性が極度に減少していることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)