1996 Fiscal Year Annual Research Report
発がんプロモーターとして作用する胆汁酸の生体内動態に関する研究
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08760137
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
佐伯 徹 京都府立大学, 農学部, 助手 (00275190)
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Keywords | bile acid / transporter / mouse / cDNA cloning / RT-PCR / sodium ion-dependent / tumor promoter |
Research Abstract |
マウス小腸に発現しているNa^+依存胆汁酸トランスポーター(ISBT)遺伝子のcDNAをクローニングするため、マウス小腸を4等分し、最も下部末端に相当する断片からtotal RNAを調製した。まず、ラットのISBT遺伝子cDNAの塩基配列をもとにして翻訳領域のほぼ全域を増幅できるようにプライマーを設計し、RT-PCRを行った。得られた1043bpの増幅産物をベクターにクローニングし、塩基配列を決定した(DDBJ/Gen Bank/EMBL accession=D87059)。 この増幅産物をプローブとして、マウス小腸を8等分したそれぞれの断片から調製したtotal RNAのノザンハイブリダイゼーションを行った結果、ISBT遺伝子mRNAは最も下部末端に相当する8番目の小腸断片で強く発現しており、その上部の7番目の小腸断片でも発現が確認できた。それより上部では、ノザンハイブリダイゼーションではシグナルを検出できなかったが、RT-PCRを行ったところ、2番目から6番目のまでの断片でも増幅産物が得られたことから、微量ながら,mRNAが発現していることが示唆された。 さらに、4等分したマウス小腸の最も下部末端に相当する断片から調製したpoly(A)^+RNAを用いてcDNAライブラリーを構築し、前述のRT-PCR増幅産物をプローブとしてスクリーニングを行った。およそ2.5×10^5に相当するクローンをスクリーニングした時点で3個のポジティブクローンを得ることができた。制限酵素地図を作成したところ、RT-PCR産物と一致しており、さらに2kbp近くの3^1非翻訳領域を含むと考えられる。現在塩基配列の決定を行っている。 マウスISBTに対する抗体を作成するため、RT-PCR増幅産物を大腸菌発現ベクターに組み込んだ。現在、大腸菌内発現を試みている。
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