1996 Fiscal Year Annual Research Report
粗飼料多給飼養下の泌乳牛における乳生産祖効率の変動要因解明に関する研究
Project/Area Number |
08760245
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中辻 浩喜 北海道大学, 農学部・附属農場, 助手 (90217761)
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Keywords | 乳牛 / 牛乳生産 / 粗飼料多給 / 乳生産効率 |
Research Abstract |
粗飼料多給飼養の泌乳牛における乳生産のエネルギー祖効率(GEE)の変動について、給与飼料の種類および給与順序等の飼料側要因との関連において解析を行い、GEEの面からみて最適な粗飼料多給システム確立への資とすることを目的とした。 北大農場の搾乳牛群(13〜18頭)を用い、夏季(1996年5月20日〜10月31日)は簡易電気牧柵システムを用いての時間制限放牧(1日2.5時間×2回=5時間: 5 : 30〜8 : 00および17 : 00〜19 : 30)による放牧地草主体飼養、冬季(1996年11月1日〜2月28日)はサイレ-ジ主体(午前コーンサイレ-ジ、午後アルファルファサイレ-ジ給与)飼養とした。これら搾乳牛群を用い、給与飼料の種類の異なる夏季および冬季のそれぞれにおいて、飼料の給与順序、すなわち夏季は放牧時間帯(9 : 00〜11 : 30および17 : 00〜19 : 30)、冬季はサイレ-ジの給与時刻(午前アルファルファサイレ-ジ、午後コーンサイレ-ジ給与)が異なっていた昨年(1995年)の試験成績と比較検討した。 夏季は放牧時間帯、冬季はサイレ-ジの給与時刻を変更したことにより粗飼料摂取量は昨年にくらべ高くなった。飼料の給与順序を変えることにより、個々の飼料摂取量が変化し、それが総摂取量へも影響した。従って、飼料の給与順序等の飼料側要因を人為的にコントロールすることにより摂食量を制御し得る可能性を示唆している。いずれの季節も飼料摂取量が高くなったにもかかわらず、エネルギー消化率およびエネルギー代謝率(q)は低下しなかった。飼料摂取量の増加にともない、乳量が増加したが、GEEは必ずしも改善されなかった。 以上のことから、飼料側要因の1つである飼料給与順序の違いは、飼料摂取量に対しての影響が大きかったが、GEEに対しての影響は小さかった。
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