1996 Fiscal Year Annual Research Report
大型実験動物の特性を活かした性腺刺激ホルモン放出ホルモン分泌調節機構の解析
Project/Area Number |
08760273
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 知己 東京農工大学, 農学部, 助手 (20272643)
|
Keywords | 性腺刺激ホルモン放出ホルモン / 黄体形成ホルモン / 下垂体門脈 / パルス / 視床下部 / 下垂体 / ヤギ |
Research Abstract |
本研究では哺乳類における生殖活動の中枢制御機構を解析することを目的として、シバヤギにおいて下垂体門脈血を連続採取する方法を確立し、生殖内分泌系を支配する最も重要な視床下部ホルモンである性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の分泌パターンを解析した。 1、下垂体門脈採血法の確立 特殊な下垂体門脈採血用カテーテルを作成し、microsurgeryによりシバヤギ前頭骨を経由して視床下部-下垂体柄の前方部位に留置した。採血は約一週間の手術回復期間後に行い、動物を採血用スタンチョンに繋留して行った。ヘパリンの大量投与後、一方のカテーテルから針を挿入して下垂体門脈を数回穿刺し、漏出してきた血液をもう一方のカテーテルからペリスタリックポンプを用いて回収した。今回5分毎に3時間および4時間の連続採血をしたところ、その期間一定量の血液を連続して採取することが可能であった。以上のように覚醒状態のシバヤギから一定量の下垂体門脈血を経時的に採取することが可能となった。 2、GnRH分泌動態の解析 この方法を用いて下垂体門脈血中GnRHおよび末梢血中黄体形成ホルモン(LH)濃度を測定した。GnRHは約30分に1回の頻度でパルス状に放出され、それに一対一に対応してLHがパルス状に分泌されていることが確認された。またシバヤギにおけるGnRHのパルス分泌の持続時間は8〜11分とほぼ一定であり、GnRHパルスの多くはペースラインから5分以内に急激に上昇してピークに達し、その後急激にベースラインまで低下することが明らかとなった。またGnRHのパルスとパルスの間のベースラインの濃度は最小測定感度以下、あるいはそれをわずかに越える程度であったことから、GnRHは通常下垂体門脈血中に短時間の間に急激に放出され、パルス発現時以外はほとんど分泌されていないことが示された。
|
Research Products
(1 results)