1996 Fiscal Year Annual Research Report
家畜における高精度染色体分染法の確立と腫瘍組織の染色体およびDNA解析
Project/Area Number |
08760288
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
菱沼 貢 鳥取大学, 農学部, 助教授 (30183578)
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Keywords | 染色体 / 高精度分染法 / 腫瘍 |
Research Abstract |
1.高精度染色体分染法を確立する目的で、ウシの血液(リンパ球)を用いて、エチジウムブロマイドによる染色体凝集抑制法の条件を再検討した。子ウシ血清とPHAを含むRPMI-1640培地で血液を70時間培養した後、0、5、10、20および40μg/mlエチジウムブロマイドを添加して2時間培養を行った結果、細胞分裂指数は0〜10μg/mlで変化がみられなかった。40μg/mlでは、細胞分裂指数が著しく低下した。10μg/mlエチジウムブロマイドを添加して、2、4および6時間処理した結果、細胞分裂指数に変化はみられなかったが、処理時間の延長に伴って、異常な形態を示す染色体像が増加する傾向が認められた。従って、ウシのリンパ球を用いて高精度染色体分染法を実施する場合には、エチジウムブロマイドを10μg/mlで2時間処理することが最適であることが判明した。エチジウムブロマイドとコルセミドを併用した場合には、細胞分裂指数と細胞分裂中期染色体の割合は増加したが、前期〜前中期染色体の割合は減少した。 2.腫瘍の染色体検査を実施する目的で、イヌの乳腺腫瘍をコラゲナーゼ処理した後に組織培養を実施した。その結果、コラーゲンで表面処理をしたフラスコを用いて培養した場合に組織片の付着が約2倍に増加し、染色体標本作製のために採取された細胞数も著しく増加した.フローサイトメーターを使用した乳腺腫瘍組織のDNA量測定については、現在検討中である。
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