1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08760307
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Research Institution | 国立衛生試験所 |
Principal Investigator |
高木 篤也 国立衛生試験所, 毒性部, 研究職 (00179417)
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Keywords | アポトーシス / P53 / Bcl-x / Bcl-2 / 肝細胞 / ペルオキシソーム増殖剤 / ciprofibrate / TGF-Beta |
Research Abstract |
ペルオキシソーム増殖剤がTransforming growth factor-beta(TGF-beta)により誘導される肝細胞のアポトーシスを抑制することが報告されており、これらの作用機構を明らかにするため以下の実験を行った。 雄F-344ラット(体重約300g)より、コラゲナーゼ灌流法にて、初代培養ラット肝細胞を採取した。培養液にはWilliams Medium E(10%牛胎児血清を含む)を用い、5%の濃度のCO_2インキュベータ-で培養を行った。プレートに細胞をまいて2時間後、付着肝細胞に、ペルオキシソーム増殖剤のciprofibrateを200μMの濃度で投与した。投与1時間後に、TGF-betaを1または3ng/mlの濃度で投与した。最終投与18および42時間後に細胞を採取し、2X gel loading bufferを加え、99度10分加熱、蛋白試料とし-80度で保存した。また、各時点で細胞を蛍光染色し、核のfragmentationをカウント、アポトーシスの指標とした。SDS電気泳動は12.5%ポリアクリルアミドゲルを用い、蛋白定量後各レーンあたり10μgを用いた。泳動終了後、セミドライブロッターでニトロセルロース膜に転写し、ECL法でアポトーシス関連蛋白を定量した。その結果、アポトーシス細胞数は18時間後のTGF-betaの3ng群で47%と対照群の8%に比べ有意に増加した。ciprofibrateを前投与すると29%となり、その増加は有意に抑制された。42時間後でも同様に抑制が認められた。P53蛋白レベルおよびBcl-2蛋白レベルは各群とも対照群に比較して明かな差は認められなかった。しかし、Bcl-xレベルはTGF-beta投与により、18時間で対照群より減少し、42時間後ではほとんど検出できないレベルまで減少した。一方、ciprofibrateはこのBcl-x蛋白発現に対して影響を及ぼさなかった。以上の結果、TGF-betaによる肝細胞アポトーシスにBcl-xのダウンレギュレーションが関与していることが示唆されたが、ciprofibrateのアポトーシス抑制機構はP53、Bcl-2およびBcl-x蛋白量の変動を介していないことが明らかとなった。
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