1996 Fiscal Year Annual Research Report
牛脂高脂肪食がラット褐色脂肪組織脱共役蛋白と脳アドレナリンレセプターに及ぼす影響
Project/Area Number |
08770056
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Research Institution | Sanyo Women's College |
Principal Investigator |
松尾 達博 山陽女子短期大学, 食物栄養学科, 講師 (20270019)
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Keywords | 牛脂 / 紅花油 / 褐色脂肪組織 / 脱共役蛋白質 / β-アドレナリンレセプター / 視床下部 / 肥満 / ラット |
Research Abstract |
牛脂あるいは紅花油を添加した高脂肪食をラットに与えると、紅花油食に比べて牛脂食で褐色脂肪組織(BAT)の交感神経活性が低下し、BATの食餌誘発性体熱産生(DIT)が低下すること、その結果、牛脂食で体脂肪蓄積が増大することが報告されている。本報告では、牛脂食のDIT低下作用に、特異的熱産生蛋白質であるBAT脱共役蛋白(UCP)量の低下が関与しているか否かを検討した。 一方、牛脂食で交感神経活性が低下する原因として、視床下部及び大脳皮質のノルエピネフリン代謝回転速度(NEt)およびβ-アドレナリンレセプター(β-AR)結合能の低下が関与している可能性が報告されているが、詳細については不明な点が多い。本研究では、両群ラットの視床下部及び大脳皮質におけるβ-AR量および分布を明らかにするため、免疫組織化学的手法を用いて検討した。さらに、ノルエピネフリン合成の律速酵素であるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)量が、牛脂食で低下しているか否かについても検討した。その結果、以下の知見を得た。 1.BATのUCP量は、紅花油食群に比べて牛脂食群で有意に小さかった(p<0.05)。 2.免疫組織化学的手法を用いて調べた、視床下部および大脳皮質におけるβ-ARの染色強度および分布には、両群間で差は見られなかった。 3.視床下部のTH量は、紅花油食群に比べて牛脂食群で有意に小さかった(p<0.05)。大脳皮質のTH量は、紅花油食群に比べて牛脂食群で低い傾向にあった。 以上のことから、牛脂食によるDIT低下作用には、BATのUCP量の低下が関与している可能性が示唆された。さらに、牛脂食で視床下部および大脳皮質のNEtが低下する原因として、TH量の低下が関与している可能性が示唆された。免疫組織化学的手法を用いて調べたβ-ARの分布については、明確な結果が得られなかった。
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Research Products
(1 results)