1996 Fiscal Year Annual Research Report
キサンチン酸化酵素における非ヘム鉄の機能に関する研究
Project/Area Number |
08770092
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
岡本 研 日本医科大学, 医学部, 助手
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Keywords | キサンチン酸化酵素 / キサンチン脱水素酸素 / 非ヘム鉄 / バキュロウイルス |
Research Abstract |
大量発現系の構築について 申請書に記載した昆虫細胞による大量発現系の構築については完成をみた。和研薬社のセルマスターシステムの導入より1.5リッター規模という昆虫細胞としては大規模な発現系を安定して運用することが可能となった。また、通常のスピナ-フラスコを用いてもほぼ同規模の培養が可能な体制となった。 組み換えウイルスの作製について キサンチン脱水素酵素の[2Fe-2S]センターのリガンドと考えられるシステイン残基をセリンへと変換した組み換えウイルス数種の作製に成功した。また、それら変異酵素を解析して得られた結果をふまえて新たな変異酵素の作製に入っている。 変異酵素の解析について 得られた2種の変異酵素(C51S、C115S)について精製法を確立し、数ミリグラムの精製標品を得るに至った。これらの精製した変異酵素についてEPRスペクトルの測定を行った。2種の変異酵素とも2種の[2Fe-2S]センターに由来するシグナルが認められ、システインに替わってセリンがリガンドとなっていることが推測された。この結果に基づき、非ヘム鉄を完全に欠失した変異酵素を得るため、上記システイン残基をセリンではなくアラニンへと変換した変異酵素(C51A,C115A)を現在作製中である。このEPR測定によって2個の[2Fe-2S]センターについてそれぞれを形成するモチーフが推定できた。現在はこれらの変異酵素について酸化還元滴定、種々の基質を用いた活性測定など、更なる解析を行っている。
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[Publications] 岡本研,他4名: "発現した非ヘム鉄キサンチン脱水素酵素の性質" 生化学. 68,7. 638- (1996)
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[Publications] 西野朋子,岡本研,他3名: "バキュロウイルス発現系によるキサンチン脱水素酵素の蛋白翻訳後の機能発現" 生化学. 68,7. 638- (1996)
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[Publications] 西野朋子,岡本研,他4名: "昆虫細胞により発現したキサンチン酸化酵素の性質の検討(I)" 生体機能における金属イオンの特異的作用の分子科学. 41- (1996)
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[Publications] 中西茂子,西野朋子,岡本研,他3名: "昆虫細胞により発現したキサンチン酸化酵素の性質の検討(II)" 生体機能における金属イオンの特異的作用の分子科学. 42- (1996)
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[Publications] Ken Okamoto,他5名: "Properties of xanthine dehydrogenase iron-sulfur contirs that lacks" Journal of Inorganic Chemistry. (1997)
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[Publications] Takeshi Nishino,他8名: "Conversion of Xanthine Dehydrogenase to oxidase and its role of rapurfasion injury" Biochem.Socie.Trans.(1997)
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[Publications] Takeshi Nishino,他5名: "Oxygen Homecstasis and Its Dynamics" Springer-Verlag, (1997)