1996 Fiscal Year Annual Research Report
内皮細胞への選択的遺伝子導入によるマウス血管新生の分子機構の解析
Project/Area Number |
08770096
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安部 まゆみ 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (80271980)
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Keywords | 血管新生 / アデノウイルス / TGF-β / LAP |
Research Abstract |
血管新生部位の内皮細胞に選択的に遺伝子を導入して、血管新生に及ぼす影響を観察する方法の開発を試みた。MatrigelをC57BL/6マウス(オス、4週齢)の腹側皮下に注入し、1、3、5、7、14日後にマウスを屠殺して、Matrigelを回収、固定、包埋してスライドを作成し、顕微鏡下に観察すると1日後よりMatrigel内への新生血管の侵入が見られ、14日後には最大となった。但し、100ng/ml bFGFをMatrigelに混入させても血管新生は促進されなかった。そこでgrowth factor reduced Matrigelを用いたところ、コントロールではほとんど新生血管の侵入は認められなかったのに対し、bFGF添加群では5日後に25.720±5.386 cells/0.01mm^2の血管新生が見られた。大腸菌のLac-Z遺伝子を組み込んだ非増殖性アデノウイルスをMatrigel中に混入して同マウスの腹側皮下に注入し、2、4、6日後にマウスを屠殺した。回収したMatrigelをX-gal反応液とインキュベート、脱水、脱脂、包埋後、スライドにして顕微鏡下に青色に染色される新生血管の内皮細胞を観察した。2日後からMatrigelの新生血管に青染される内皮細胞が見られ、すくなくとも6日間は導入した遺伝子の発現が持続した。以上、実験系の基礎はほぼ確立された。この系を用いて、活性型TGF-βと結合してこれを不活化するLAP (Latency associated peptide)の遺伝子をアデノウイルスに組み込み、TGF-βの血管新生に及ぼす影響を検討をすることが可能となった。
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