1996 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍性および腫瘍様病変におけるクロナリティー解析とその診断への応用
Project/Area Number |
08770127
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 眞幸 大阪大学, 薬学部, 講師 (00211524)
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Keywords | 悪性組織球腫 / 結節性筋膜炎 / クロナリティー / HUMARA / PCR |
Research Abstract |
1.癌や前癌病変の研究における重要な問題の1つに、「病変をを構成している細胞のクロナリティー」がある。これは、病理学的診断を行う上でも、特に大切な概念である。ところが、数多くの腫瘍性あるいは腫瘍様病変のうち、クロナリティーが厳密に調べられているものは、ごくわずかに過ぎない。我々は、悪性組織球腫(MFH)のように、pleomorphismの強い細胞からなる腫瘍性病変や、結節性筋膜炎(NF)のように比較的monotonous細胞からなる炎症性病変について、病変を構成している細胞のクロナリティーを解析した。クロナリティー解析の方法としてはパラフィンブロックの病変部より抽出したDNAを、メチル化感受性酵素(HhaI)で消化した後、PCR法により増幅し、X染色体上にあるアンドロレセプター(AR)遺伝子の不活化パターンを調べる「HUMARA法」を用いた。 (1)MFHでは、11例中全例においてモノクロナリティーが証明された。また、モノクローナルな成分の比率についても検討したが、強いリンパ球浸潤を伴っていた2例を除く全例でモノクローナルな成分が80%以上存在していた。この腫瘍は、線維芽細胞様の細胞と組織球様の細胞からなり、このうち、後者は反応性に増殖した非腫瘍成分との鑑別が困難であるが、今回の研究から、MFH病変部にみられる細胞の大部分が腫瘍細胞であることが示された(投稿中)。 (2)NFについては、3例中1例でモノクロナリティーを示唆する所見を得たが、解析可能な症例数が少なかったため、現在検討中である。 このほか、腎移植後に発生する癌に関する研究や、がんとホルモンに関する文献的考察(総説)を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hoshida,Y.Tsukuma H,Yasunaga Y Xu N,Fujita MQ,et al: "Cancer Risk After Renal Transplantation" Int J.Cancer. (発表予定). (1997)
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[Publications] 藤田眞幸: "がんとホルモン「シリーズがん医学入門2:がんはなぜできるのか" 中山書店, 137-154(178) (1996)