1996 Fiscal Year Annual Research Report
フローサイトメトリーによるTh1/Th2リンパ球の解析-猫条虫感染マウス系におけるエフェクター細胞の検討-
Project/Area Number |
08770176
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石渡 賢治 北海道大学, 医学部, 助手 (00241307)
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Keywords | マウス / 猫条虫 / フローサイトメトリー / リンパ球 / 感染 / Th1 / Th2リンパ球 / 肝臓 |
Research Abstract |
細胞の標識はCy-Chrome標識抗マウスCD4モノクローナル抗体で標識した細胞をパラホルムアルデヒドで固定、サポニン処理後、FITC標識抗マウスIFN-γモノクローナル抗体およびビオチン化抗マウスIL-4モノクローナル抗体で標識、さらにPE標識ストレプトアビジン処理することで行った。フローサイトメトリーの解析には3色波長を解析できるFACScanを用いた。細胞の大きさおよびその構造で観察細胞をリンパ球にしぼり、さらにCD4陽性細胞についてIFN-γ陽性細胞をTh1細胞、IL-4陽性細胞をTh2細胞としてそれぞれの分布を検索した。はじめに正常マウスの髀細胞をコンカナバリンAおよびモネンシンで処理した細胞について標識抗体の濃度設定を行なったが、IL-4産生細胞が不明瞭であった。猫条虫感染後5日には髀臓および肝臓内にIFN-γ、IL-4が存在することがすでに確認済みであったので、感染後5日の各臓器の細胞を陽性細胞として正常マウス細胞と比較検討した。感染によって各臓器内ではIL-4の産生が検出されていたが、産生細胞としてはごく少数の細胞しか検出されず、正常マウスとの有意な差はみられなかった。各サイトカインを含有する陽性細胞をしっかりと設定する必要性が問われた。IFN-γ産生細胞は正常マウスの肝臓内単核球で陰性細胞と陽性細胞の中間的な細胞が検出された。この細胞は猫条虫感染によって相対的な増加が見られたが、非特異的な細胞群との区別が難しいところに分布するために、リコンビナントサイトカインによる抗体の吸収試験などのさらなる確認が必要だと考えられた。
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