1996 Fiscal Year Annual Research Report
活性化B細胞から免疫グロブリン産生細胞への分化過程での細胞内調節因子に関する研究
Project/Area Number |
08770323
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 健司 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40272554)
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Keywords | B細胞 / CD25分子 / IL-2 / IL-10 |
Research Abstract |
正常人末梢血よりFicol法にて単核球を得、L-leucine methyl ester処理の後、Eロゼット法にてB細胞を精製した。B細胞をSAの存在下にIL-2とIL-10とともに培養しIgM産生を誘導した。SA刺激B細胞へのIL-10およびIL-2の結合はフローサイトメトリーにて測定した。 抗CD25抗体添加によりIL-2のみならずIL-10により誘導されるIgM産生も著明に抑制された。フローサイトメトリーを用い検討した色素標識IL-2のSA刺激B細胞表面への結合は抗CD25抗体添加によって完全に阻害されたが、色素標識IL-10の結合は不完全にしか阻害されなかった。またSA刺激B細胞表面へのIL-2の結合はIL-10の添加では阻害されなかった。 以上よりヒトB細胞へのIL-10による刺激の伝達にはCD25分子が関与することが示された。従ってIL-2およびIL-10によるCD25分子の発現増加はそれぞれのシグナル伝達を促進させ、B細胞の分化におけるIL-2とIL-10の相乗的促進作用における重要なメカニズムであると考えられる。
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