1996 Fiscal Year Annual Research Report
自己抗体産生B細胞の分化及び増殖遺伝子の解析と自己免疫疾患治療への応用
Project/Area Number |
08770338
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
濱野 慶朋 順天堂大学, 医学部, 助手 (10281354)
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Keywords | B-1細胞 / クローニング |
Research Abstract |
B-1細胞増殖遺伝子を持つと思われるNewZealandWhite(NZW)マウスとその形質を持たないと考えられるB10.D2およびB10.NZWを用いて、退交配マウス(NZWxB10.D2)xB10.NZW及び(NZWxB10.NZW)xB10.NZWをそれぞれ82匹及び95匹作成し、合計95個のmicrosatellite DNA markerを用いて全ゲノムマッピングを行った。形質として、末梢血の全B細胞内でのB-1細胞比率に注目した。親系のNZWで月齢依存性のB-1細胞比率の増加が認められ、その一部はclonalな増殖に至り、B細胞性慢性リンパ性白血病を発症する。退交配マウスにおいても、同様に月齢依存性のB-1細胞増加を認め、有意なB-1細胞比率増加のcutoff値として、若年(8カ月)で5%、老年(16カ月)で10%とした。microsatellite DNA markerによるダンピングと形質との関連を_χ2検定を用いて検討し、P値5%以下を有意とした。 結果として、若年でのB-1細胞増加の関連遺伝子(早期因子)が第17染色体のH-2近傍をはじめとして第1、第6、第14染色体に同定され、老年での関連遺伝子(晩期因子)が第19、第6、第13、第15染色体に見出された。この中で、早期因子としてのH-2領域、晩期因子としての第19染色体上の遺伝子座は形質との関連が強く、特に後者はFas抗原の構造遺伝子の遺伝子座の近傍に存在する。これらの結果を踏まえ、現在positional clonig及びdifferential hybridizationの手法を用いて、両遺伝子の同定・クローニングを計画中である。
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