1996 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデス(SLE)におけるFasLの発現と機能解析
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08770345
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
市野 素英 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (60271368)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / Fas / FasL / アポトーシス / 自己抗体 / 自己反応性Bリンパ球 |
Research Abstract |
全身性エリテマトーデス(SLE)は多臓器が障害される全身性の炎症性疾患で、抗核抗体に代表される自己抗体の産生を特徴とする。SLE類似の病態を示すループスモデルマウスではFas、FasL遺伝子の異常が報告されている。ヒトSLEにおいてもFas-FasLシステムに異常があり、末梢性トレランスの破綻をきたしている可能性がある。今回、SLE患者末梢血リンパ球にはFasLの過剰発現があることを見出した。正常者では末梢血リンパ球をマイト-ゲン刺激して初めてFasLがmRNAおよび蛋白レベルで検出される。SLE患者末梢血リンパ球は採血直後の非刺激状態ですでに過剰のFasLmRNAおよびFasL蛋白の自発的発現を認めた。しかしマイト-ゲン刺激を加えてもSLE患者末梢血リンパ球のFasL発現は逆に減少した。どのリンパ球サブセットがこのFasL過剰発現に寄与しているのか検討した。CD4陽性Tリンパ球もCD8陽性Tリンパ球も非刺激時でFasL蛋白の発現を認めた。さらにNK細胞でもFasL蛋白の発現亢進を認めた。興味深いことには、一部のSLE患者Bリンパ球が過剰なFasLmRNA,FasL蛋白の発現を伴っていたことである。この成績は、自己抗体を産生する自己反応性Bリンパ球の少なくとも一部では、Bリンパ球自体がFasLを産生・発現することで免疫調節に働くFasLを発現したTリンパ球によるアポトーシスからの逸脱を示唆している。即ちSLE患者Bリンパ球におけるFasL発現亢進がSLE患者で認められる自己抗体産生に密接に関連していることが明らかになった。
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[Publications] Suzuki,N.,et.al.: "In vivo mechanisms for inhibition of T lymphocyle aclivation by along-term tacrolimus (FK506) therapy : experience in patients with Behcet's disease." Arthritis and Rheumatism. (in press). (1997)
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[Publications] Kaneko,S.,et.al.: "Rescue by cytokines of apoptotic cell death induced by lL-2 deprivation of human antigen specific T cell clones." Clinical and Experimental Immunology. in press (1997)
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[Publications] Sakane,T.,et.al.: "Mechanisms of KE298,2-acetylthiomethyl-3- (4-methylbenzoyl) propionic acid,to suppress abnormal synovial cell functions in human rheumatoid arthrilis." The Journal of Rheumatology. (in press). (1997)
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[Publications] 鈴木登,他.: "全身性エリテマトーデスにおけるFas/Fasリガンドの発現異常" 日本臨床. 54・(11). 1955-1959 (1996)
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[Publications] 坂根剛,他.: "今日の臨床免疫学から見た自己免疫疾患:ヒトSLEの発症機序と病態解明の新たな展開、新医科学大系第8巻B免疫応答-生体防御機構II(岸本忠三責任編集)" 中田書店,東京, 231-257 (1996)
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[Publications] 坂根剛,他.: "自己免疫疾患発症の免疫機構、免疫の基礎知識(螺良英郎、矢田純一監修)" 診療新社,東京, 81-95 (1996)