1996 Fiscal Year Annual Research Report
Leukotoxinによる急性肺血管内皮傷害の分子生物学的機序に関わる研究
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08770427
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
飴島 慎吾 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (60262614)
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Keywords | Leukotoxin / ヒト肺動脈内皮細胞 / superoxide(O_2^-) / xanthine oxidase阻害剤 / アポトーシス / DNAラダー / 内皮細胞傷害 |
Research Abstract |
1.Leukotoxin(Lx)により誘導される内皮細胞内O_2^-の起源 ヒト肺動脈内皮細胞(HPAEC)内に生成されるO_2^-を蛍光法は濃度依存性を用いて測定した。Lxは濃度依存性にO_2^-を誘導するが、xanthine oxidase阻害剤(alloprinol)により、50%以上抑制された。一方、NADPH oxidase阻害剤(apocynin)では抑制されなかった。 2.Lxによる内皮細胞傷害 (1)Lx(10^<-6>〜10^<-4>M)は濃度依存性、時間依存性にHPAECの細胞傷害(^<51>Cr release assay)を起こし、これはalloprinolにより抑制された。形態学的観察(0〜48時間)でも、付着HPAECは濃度および時間依存性にroundingを起こし、その後細胞死を認めた。10^<-4>Mを越えるLx濃度ではCell lysisの影響が現れた。 (2)TUNEL法による観察では、10^<-6>〜10^<-5>MのLxで濃度依存性にTUNEL細胞の増加を認めた。また、DNAのアガロースゲル電気泳動では、コントロール群と比べ、Lx10^<-6>〜10^<-5>Mの投与群で有意にDNAラダーを認めた。10^<-4>M以上のLx投与群では、DNAラダーを認めなかった。以上のことより、比較的低濃度のLxがHPAECに対しアポトーシスを誘導している可能性が示唆された。 3.まとめ Lxによる内皮細胞傷害の機序として、Cell lysis以外に、その比較的低濃度では、アポトーシスの誘導も関与しており、それには主としてxanthine oxidase系由来のO_2^-の誘導を介した機序が推察される。
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