1996 Fiscal Year Annual Research Report
間質性肺炎と合併肺癌の遺伝子変化に関する研究(遺伝子発現を中心に)
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08770443
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
玉利 真由美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00217184)
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Keywords | 特発性間質性肺炎 / Differential display法 / 肺癌 |
Research Abstract |
本年度、当院にて経験された1例のIIP患者より、剖検時に肺癌、および正常肺組織を採取した。組織は、液体窒素中にて粉砕し、RNA直接精製キット(ISOGEN)を用いてtotalRNAを抽出、その一部よりOligotex dT30(Oligo(dT)-Latexを用いてmRNAを抽出精製した。mRNAに対しOligo dTをプライマーとしGIBO-BRL社のReverse transcriptase(Superscript TM)を用いてcDNAを合成し、続いてmRNA分析用キット(RNA Amp)を用いDifferential Display法を行った。得られたPCR産物は変性ポリアクリルアミドゲルにて泳動を行い、差の見られたDNA断片を切り出し、溶出後、クローニングキットを用いて3つのバンドをクローニングした。一方、抽出したそれぞれのtotalRNA5μgを1%のアガロースゲルにて電気泳動後、ナイロンフィルターHybondNにRNAをトランスファーした。プローブ(クローニングしたフラグメント)は、非放射性同位元素法(ECL法)にてラベルし、ハイブリダイズを行った。しかし臨床検体のため、Northern blot法に使用できたtRNAの量が十分でなく、発現量のコントロールとしてβactinをプローブとしてはハイブリダイズを行ったがバンドは検出されなかった。よってクローニングしたDNA断片は実際に発現量に差があるかの確認ができず、Artifactの可能性も否定できないため、現在は、Dideoxy法にて塩基配列の確認を行うには至っていない。differential display法においては再現性の確認のためNorthern blot法を繰り返し行う必要があり、今後臨床検体を用いるにあたり検討が望まれた。
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