1996 Fiscal Year Annual Research Report
酸素刺激により発現が変動する遺伝子の検索とその発現調節機構の解明
Project/Area Number |
08770444
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高橋 滋 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (10266900)
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Keywords | ヘムオキシゲノ-ゼ / 酸化ストレス / 酸素 / 転写調節 |
Research Abstract |
ヒト肝臓癌由来の細胞株HepG2にたいして高濃度酸素暴露を行うと抗酸素酵素であるヘムオキシゲナーゼ(HO-1)mRNAの発現量が上昇し、この上昇は抗酸化剤であるN-acetylcysteineで抑制されないことがわかった。また、短時間(6時間)の高濃度酸素暴露によるHO-1mRNAの発現量の上昇はcycloheximideにより抑制されたが、長時間(24時間)暴露による上昇は抑制されなかった。これらのことから、高濃度酸素刺激によるHO-1mRNAの発現量の上昇は酸化ストレスとは異なる経路で引き起こされている可能性と短時間暴露と長時間暴露の間にも異なる経路が存在する可能性が示唆された。 高濃度酸素にたいして応答する遺伝子配列を見いだすために、HO-1遺伝子の転写開始点より上流4kbの配列を用いたluciferase assayを行ったところ、応答する配列を見いだすことはできなかった。現在、高濃度酸素応答配列のさらに上流における存在、そして上流4kb配列における転写抑制性配列の存在の可能性を検討中である。
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