1996 Fiscal Year Annual Research Report
超音波によるコラーゲン定量に基づくACE阻害の心室リモデリング抑制に関する研究
Project/Area Number |
08770501
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
野崎 士郎 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (80243773)
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Keywords | 超音波組織性状診断 / コラーゲン / ACE阻害剤 / 心室リモデリング |
Research Abstract |
1.基礎実験成績:音響学的組織性状診断法の問題点を把握するために、ウシ摘出心筋を用いて基礎実験を行った。実験は、心筋の超音波組織性状診断に用いられる後方散乱波強度が、超音波探触子と心筋との距離・角度などの物理的相互関係によって及ぼされる影響について検討した。その結果、心筋からの後方散乱強度は探触子と心筋との距離の変動では有意に変化しなかったが、心筋繊維方向と超音波入射角度、ならびに心筋壁厚の変化に対しては段階的に変化した。この結果は、超音波後方散乱強度を用いて心筋組織性状診断を行う場合には、心臓全体の動きについては無視し得るが、超音波探子触と心筋関心領域との角度は計測毎に一定にしておくべきことが重要であると結論づけられた。 2.臨床研究:心不全26例(拡張型心筋症13例、陳旧性心筋梗塞13例)、年齢62【plus-minus】11歳、においてACE阻害剤(エナラプリル5mg/日)の心筋組織性状に対する効果を追跡した。ACE阻害薬中断後3ヵ月目には後方散乱強度は心室中隔においては明らかな変化を示さなかったものの、後壁では平均で7%の有意な増大を示した。さらに、ACE阻害薬投与後4ヵ月目には後方散乱強度は中隔で平均45%、後壁では平均23%の有意な減少を示した。かかる結果から、ACE阻害薬の中断により3ヵ月間でコラーゲンの増生がおこり、心室間質線維の増加が後方散乱強度の増加として検出できる程度に達すること、また、ACE阻害薬投与開始後4ヵ月の時点ではコラーゲンが有意に減少することが明らかとなった。すなわち、ACE阻害薬は心筋壁線維化の進行を予防するのみならず、数ヵ月以内にこれを退縮させる効果のあることが示され
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Research Products
(1 results)