1996 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現心筋L型Ca^<2+>チャネルに対する各種GTP接合蛋白質作用の電気生理学的研究
Project/Area Number |
08770519
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
古川 泰司 帝京大学, 医学部, 助手 (70276731)
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Keywords | Ca^<2+>チャネル / G蛋白質 |
Research Abstract |
アフリカツメガエル卵母細胞に、invitro transcription法により作成したcRNAよりウサギ心筋L型Ca^<2+>チャンネルと各種G蛋白質並びに対応する受容体を発現させた。この卵母細胞を用い、発現させるCa^<2+>チャネルを通るBa^<2+>電流を二重微小電極膜電位固定法を用いて計測、各G蛋白質がBa^<2+>電流にどの様な影響を及ぼすかを観察した。 G_<i1α>,G_<i2α>,G_<i3α>,G_<o1α>,G_<zα>,G_<βγ>,はδオピオイド受容体と共に発現させ、ロイシンエンケファリンによんり活性化させたが、観察した時間内(3分間)では、全てのG蛋白質はBa^<2+>電流に何ら作用を及ぼさなかった。G_<qα>はm_2アセチルコリン受容体とともに発現させ活性化を試みたが、膜電流の変化は一定の傾向を示さなかった。これは、同受容体の活性化に伴い卵母細胞の内在性Cl^-チャネルが活性化されたためと考えられた。また、G_<sα>とβ2アドレナリン受容体を発現させた卵母細胞にイソプロテレノールを作用させたが、この場合も膜電流の変化は認められなかった。 以上より、アフリカツメガエル卵母細胞発現系では、各種G蛋白質はL型Ca^<2+>チャネルに、少なくとも直接的には、何ら影響を及ぼさないことが明らかとなった。特にG_εが作用を及ぼさなかったことは、これまでの報告とは異なっており、今後の詳細な検討を要すると考えられた。この実験結果は、別に行っているN型Ca^<2+>チャネルとG蛋白質の相互作用の研究とともに、今月中に投稿予定である。
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