1996 Fiscal Year Annual Research Report
心房中隔欠損、心室中隔欠損患者における血中トロンボキサンB_2と血液凝固因子の関連
Project/Area Number |
08770570
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
布施 茂登 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30274921)
|
Keywords | 先天性心疾患 / 血液凝固 / トロンボキサンB_2 / 肺高血圧 / 肝うっ血 / アンチトロンビンIII / アンチプラマミン / 肝静脈左 |
Research Abstract |
研究1;心室中隔欠損,肺高血圧の患者における血中トロンボキサンB2の関係 【対象】肺高血圧を伴う心室中隔欠損患者21例。【方法】右房圧で補正した肺動脈圧(PAmc)、肺動脈楔入圧(PCc)を計測し、肺でのエネルギー散逸の比率と考えられるPCc/PAmcを算出した。同時に静脈血トロンボキサンB2(TXB2)を測定した。 【結果】PCc/PAmc>0.15でTXB2が高値を示し、Log(TXB2)=1.66+3.25(PCc/PAmc)、r=0.55,p<0.01とは有意な正の相関が得られた。【結語】肺でのエネルギーの散逸が大きいとTXB2は上昇すると考えられる。 研究2:心疾患患者における、肝静脈圧と血液凝固系(とくにantithrombinIII)。 【対象】本年度当科に入院した心疾患の患者のうち、年齢4か月以上、肝機能正常の患者178例。【方法】各種心機能のパラメーターおよび肝静脈圧を測定し、同時にantithrombin III(ATIII)、antiplasmin(APL)、plasminogen(PLG)、D-dimer(DD)を測定した。【結果】(1)心機能のパラメーターと血液凝固系は相関を示さなかった。(2)肝静脈圧(HVa,HVv,HVm)とATIII,APLはそれぞれ有意な負の相関(p<0.001,p<0.001)を示した。ATIII=112.7-1.97(HVa),ATIII=110.4-1.77(HVv),ATIII=110.0-2.05(HVm),APL=106.3-1.06(HVa),APL=105.5-1.02(HVv),APL=105.2-1.20(HVm).PLG,DDとは相関を示さなかった。【結語】右心不全に伴う肝静脈圧の上昇は血液凝固系の低下をもたらすと考えられる。
|