1996 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴(MR)画像装置による非侵襲的局所脳血流量定量化の試み
Project/Area Number |
08770720
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
井藤 隆太 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80263052)
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Keywords | 磁気共鳴画像 / 局所脳血流 / EPI(echo planar imaging)法 / EPI-STAR法 |
Research Abstract |
1.目的 磁気共鳴(MR)画像装置を用い、超高速撮像法であるEPI(echo planar imaging)法による簡易で非侵襲的な局所脳血流量の定量的測定を実現するための基礎的検討を行い、撮像条件の最適化と撮像結果の処理法を確立する。 2.方法 1994年にEdelmannらが発表したEPI-STAR(Echo-planar Imaging and Signal Targeting with Alternating Radio frequency)法によって非侵襲的な局所脳血流量の定量的測定を実現するために必要と考えられる基礎的検討(1)MRI装置における撮像法の検討(EPI-STAR法における撮像条件、パルスシークエンスデザインの最適化)。(2)測定信号強度と飽和されたプロトン量との相関関係の検討。を一般臨床用MR画像装置(静磁場強度1.5T)を用いてファントムと人体について行った。 3.結果 (1)1.5Tの静磁場強度においてinversion pulse(以下IP)印加による撮像面上流の流入血液への標識は1秒程度で縦磁化の緩和により消失する。(2)観察される信号変化は非常に微弱である(数%)。(3)今回用いたIP slabについては、profile端の立ち上がりが不明瞭で撮像面への影響を防ぐためにslabと撮像面を30mm以上離す必要がある。さらに人体に適用した場合(4)本法は基本的にsubtraction法であるため呼吸、心拍動などに起因するところの動きに非常に敏感で信号収集の不安定を引き起こす。等の問題が明らかになった。 4.結論、今後の課題 局所脳血流量の定量的測定を本研究の目的としていたが、信号収集の段階で解決すべきいくつかの問題があきらかになった。微弱な信号を受信するための高感度(高SNR)受信コイルの作成、IP slab profileの改善(adiabatic IPの使用)と本法と同種のEPIベースのspin tagging法ではあるがsubtraction法を用いない方法の採用が必要であると考えられた。
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