1996 Fiscal Year Annual Research Report
新規SPECT用モノアミンオキシダーゼB型活性診断薬剤の開発
Project/Area Number |
08770752
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
平田 雅彦 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (00268301)
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Keywords | MAO / モノアミンオキシダーゼ / MAO-B |
Research Abstract |
モノアミンオキシダーゼ(MAO)は、モノアミン神経伝達機構において重要な役割を担っており、パーキンソン氏秒、鬱病などの精神疾患との関連において注目を受けている。 本研究は脳内MAO-Bの活性分布測定や、その機能診断可能な新規SPECT用放射性医薬品の開発を目的とし、可逆的MAO-B選択的阻害剤であるオキサジアゾール誘導体の放射性ヨウ素標識体を考察し、その合成と動物を用いた基礎的検討を行ったものである。 合成した誘導体についてインビトロでMAO阻害活性を測定した結果、代表的なMAO-B阻害剤であるl-deprenylよりも高いMAO-B選択的阻害活性を示す誘導体を見い出した。これら誘導体のなかでも、特に高い選択的阻害活性を示した誘導体2-IBPOを放射性ヨウ素で標識し、マウスにおける体内ならびに脳内分布を調べた。本標識体は投与後早期から標的臓器である脳へ速やかに移行し、その後も高い役割で脳内に保持されていた。 さらに、脳内分布において、これら標識体の集積は、解剖学的なMAO-Bの分布と一致した。次に、MAO-A選択的阻害剤ならびにMAO-B選択的阻害剤の前投与実験を行い、これら標識体の特異性について検討した結果、MAO-Bに対して特異的に結合することが確認された。さらに、2-IBPOの安定性ならびに、オートラジオグラフィー法による詳細な検討の結果、本標識体は生体内において安定であり、MAO-B活性の定量可能な画像が得られることが示された。以上の結果から、[^<123>I]2-IBPOは、SPECT用脳内MAO-B活性診断剤としての有用性が示唆され、MAO-Bと関連する病態の診断、研究に有用と考えられた。今後、本標識体を用いた各種病態モデルでの検討を行う予定である。
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