1996 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー型痴呆の進行速度予測因子に関する研究-画像診断、アポリポ蛋白E多型性、髄液α1-アンチキモトリプシンによる検討-
Project/Area Number |
08770758
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
川勝 忍 山形大学, 医学部, 助手 (00211178)
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Keywords | アルツハイマー型痴呆 / アポリポ蛋白E / α1-アンチキモトリプシン / SPECT |
Research Abstract |
非痴呆対照30例、アルツハイマー型痴呆49例、脳血管性痴呆27例、ピック病9例について、ApoEのファノタイプを測定した。E4を有する頻度は、対照では13%であるのに対して,アルツハイマー型痴呆では47%と有意に高く、ピック病でも44%と高かった。一方、脳血管性痴呆では22%で対照と有意差はなかった。また、アルツハイマー型痴呆の中で、65才以前の早期発症群と65才以降の晩期発症群とに分けて検討すると、早期発症群では22例中7例、32%であるのに対して,晩期発症群では、27例中16例、59%と、特に高く、ApoE4は晩期発症のアルツハイマー型痴呆でとくに重要な危険因子と考えられた。 SPECTによる脳血流量測定を行った30例について、脳血流量分布パターンとApoEフェノタイプとの関係をみると、ApoE4を有する群では、頭頂葉の脳血流量低下よりも側頭葉・前頭葉での脳血流量低下を来す傾向が見られた。また、ApoE多型と髄液α1アンチキモトリプシン濃度との関係では、測定しできた症例が少ないこともあり、E4の有無で差異は認められなかった。 アルツハイマー型痴呆の臨床症状の進行度との関係では、ApoE4を有すること、画像上前頭葉あるいは側頭葉に比較的病変が限局すること、は進行の遅さと関係していた。アルツハイマー型痴呆のなかでApoE4の影響を受ける亜型では、その他の遺伝的要因(presenilin-1あるいは未知の遺伝子)の影響をうけるものよりも進行は遅い可能性があると考えられ、今後さらに検討が必要である。
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Research Products
(1 results)