1996 Fiscal Year Annual Research Report
パニック障害とうつ病における神経内分泌学的関連について
Project/Area Number |
08770764
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
篠原 学 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30273048)
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Keywords | パニック障害 / うつ病 / CRF / ACTH / Cortisul |
Research Abstract |
パニック障害者、パニック発作を伴ううつ病者、パニック発作を伴わないうつ病者、および健康成人において、血液中のCRF,ACTH,コルチゾール濃度をI-125を用いたラジオイムノアッセイ法にて測定した。CRF,およびコルチゾール濃度は、健康成人と比較してパニック障害者、パニック発作を伴ううつ病者およびパニック発作を伴わないうつ病者において、有意ではないものの上昇傾向を示した。しかし、パニック障害者、パニック発作を伴ううつ病者、パニック発作を伴わないうつ病者においては、このCRF,コルチゾールの上昇に関しては3群関において有意な差は認められなかった。尚ACTHに関しては、パニック障害者、パニック発作を伴ううつ病者、パニック発作を伴わないうつ病者および健康成人においては大きな差は認められなかった。以上の結果は、パニック障害においても、うつ病と同様にH-P-Aaxisの過活動が存在している可能性を示唆している。この過活動は、CRFの過剰分泌、副腎皮質のACTHへの過剰反応に加えて、CRF受容体の何らかの障害によって引き起こされているのかもしれない。また、今回は不安症状に関する指標の一つとしてパニック発作という観点に関してしぼって研究を進めたが、さらに症例を増やして検討する必要や不安症状を多角的に捉える必要があると思われる。尚、パニック障害者、パニック発作を伴ううつ病者、パニック発作を伴わないうつ病者および健康成人におけるβ-エンドルフィン濃度およびβ-エンドルフィンのH-P-Aaxisに対する影響については現在検討中である。
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