1996 Fiscal Year Annual Research Report
向精神薬の副作用発現と個体の薬物代謝能との相関についての分子生物学的検討
Project/Area Number |
08770773
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
岩橋 和彦 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (00232695)
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Keywords | シトクロムP-450 / 向精神薬 / 代謝 / 副作用 / 個体差 |
Research Abstract |
アルコール代謝酵素でアルコール依存症への発展のリスクファクターであるALDH2や,後天的に誘導され飲酒量増加に関係している可能性のあるCYP2EIの遺伝子多型が,アルコール飲酒後の血中アルコールおよびアセトアルデヒド濃度に及ぼす影響をin vivoにて検討した.その結果,とくにALDH2についてはALDH2*1遺伝子が血中アルコールとアセトアルデヒド両方の急速な濃度消失に,有意に影響していることが判明した.CYP2EIの誘導がこれらの濃度に与える影響については,現在さらに調査中である. また,ハロペリドールとカルバマゼピン併用時に,シトクロムP-450の誘導等によって,心毒性を持った代謝産物が増加する可能性を指摘していたが,特に,ハロペリドール血中濃度がより高めで,心電図上QTcの延長がみられる者は,心不全に陥る危険性が高いのではないかという可能性を指摘した. さらに,フェニトイン投与中の患者において,CYP2C19のm2遺伝子を持った者は,フェニトインの血中濃度が急上昇しやすい(poor metabolizer)のではないかという可能性も指摘した.
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[Publications] K.Iwahashi et al.: "CYP2E1,ALDH2 and ADH2 genotype and blood ethanol elimination kinetics" Clinica Chimica Acta. 255. 85-87 (1996)
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[Publications] K.Iwahashi: "Significant higher plasma haloperidol level during co-treatment with carbamuzepine may herald cardiac change." Clin Neuropharmacol. 19. 267-270 (1996)
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[Publications] 渡辺全朗 他ら: "日本人てんかん患者のCYP2C19遺伝子多型とフェニトイン薬物動態" てんかん研究. 14. 175-180 (1996)