1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08770827
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 聡一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50255452)
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Keywords | 肥満遺伝子(ob gene) / 脂肪細胞培養系 / 発現調節 / インスリン |
Research Abstract |
肥満遺伝子(ob gene)は、最近クローニングされ、その遺伝子産物はレプチンleptinと呼ばれる蛋白である。レプチンは脂肪細胞で産生され、個体の体重を一定に保つ方向に作用することが知られている。すでにいくつかのホルモン因子がob gene発現を調節することが報告されているが、我々は、本研究において発現に最も影響を与える因子は何かを検討した。 ラット副睾丸の脂肪細胞を採取、培養し、その系でインスリン、デキサメサゾン、β_3-アドレナリン受容体作働薬(CGP12177A)、8-bromo-cAMP、8-bromo-cGMP、1-メチル-3-イソブチルキサンチン(MIX)を作用させ、ob geneメッセンジャーRNAの発現量を定量化した。 24時間インスリン(100nM)存在下での培養でob geneの発現は21.4倍も増加し、しかもインスリン濃度依存性が認められた。この濃度はまた、新生胎仔血清20%の効果と同等であった。デキサメサゾンは2.5〜2.9倍も発現を増加させ、また、8-bromo-cGMPで2.4倍、MIXで2.8倍の発現の増加を示した。逆に、CGP1277A、8-bromo-cAMPは有意な発現の増加を示さなかった。MIXとデキサメサゾンの共存下での発現増加の効果は僅かで、単独の場合の相加分に相当する増加には至らなかった。我々の検討した系では、インスリンが最もob geneの発現を増加させる因子であった。
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