1996 Fiscal Year Annual Research Report
マウスモノクローナル抗体による血小板膜蛋白GPIIb-IIIaの機能-構造関連の解析
Project/Area Number |
08770859
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
得平 道英 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60217495)
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Keywords | 血小板 / インテグリン / 活性化 / 高次構造 |
Research Abstract |
血小板膜糖蛋白GPIIb-IIIa複合体(α_<IIb>β_3インテグリン)は、障害を受けその内皮下組織が露出した血管内壁において、vWfやフィブリノゲンなどの接着蛋白の受容体として血小板-基質間、血小板-血小板間の相互作用を介した止血あるいは病的血栓形成に重要な役割を果たしている。今回、GPIIb-IIIa複合体の受容体機能発現のメカニズムを検討するため、抗ヒトGPIIb-IIIa複合体マウスモノクローナル抗体PT25-2を作成した。本抗体PT25-2は(1)フィブリノゲン依存性に血小板凝集を惹起し、(2)FabフラグメントにてもIgGと同様の血小板凝集作用を有し、(3)prostaglandin E_1、indomethacin、aspirin、sodium nitroprusside、cytochalasin Dなど既知の強力な細胞内刺激伝達阻害剤によってもその作用は影響を受けず、また細胞内のCa^<2+>濃度の変化および放出反応も惹起しなかった。そして、PT25-2のエプトープは二つのサブユニットによって維持される複合体構造に依存性であり、静止状態のGPIIb-IIIa複合体上に存在していることが明らかとなった。これまでGPIIb-IIIa複合体の受容体機能を誘導する抗GPIIbもしくは抗GPIIIaサブユニット抗体は種々報告されているが、PT25-2はそのいずれとも性質を異にしており、この抗体の取得によってGPIIb-IIIa複合体上には高次構造をフィブリノゲン受容体へ変化させる、いわばスイッチの役目をしている特定部位が存在することが明らかになった。
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Research Products
(1 results)