1996 Fiscal Year Annual Research Report
活性型血小板膜受容体を認識するモノクローナル抗体の作成と血栓準備状態の診断
Project/Area Number |
08770865
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森木 隆典 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70230109)
|
Keywords | 血小板GPIb / IX複合体 / 血小板型フォンビルブランド病 / フォンビルブランド因子 / 血栓準備状態 / 活性型血小板 |
Research Abstract |
我々は、平成7年度までにCHO細胞を用いて活性型リコンビナント血小板膜糖蛋白GPIbα(M239V)を発現させ、さらにヒトGPIbαを発現するトラスジェニックマウスの作成にも成功していた。 本年度においては、まず培養液中に含まれるM239Vを精製純化することに主眼がおかれた。当初は既存の抗GPIbαモノクローナル抗体を担体に結合させ、アフィニテイークロマトグラフイ-によりM239Vを純化することを試みたが成功しなかった。次にGPIbαと結合すると言われているトロンビンを担体に結合させ純化することを試みたところ目的を達することができた。この行程により分子構造変化が生じていないことを、抗GPIbαモノクローナル抗体との反応性が保たれていることにより確認した。さらにvon Willebrand factor(vWF)との結合性を評価することにより、純化M239Vが、野性型GPIbαと比較してvWFとの結合能の亢進という性質を保持していることを確認した。 次に、ヒトGPIbαを発現するトランスジェニックマウスに、純化M239Vを繰り返し投与し、immunizationを行った。現在マウス脾臓由来のリンパ球をELISAを用いてスクリーニングしており、野性型GPIbαには反応せず、M239Vには反応するクローンを選別し、いくつかの候補を得た段階である。今後これらのクローンからハイブリドーマを作成し、目的とする活性型GPIbαを認識するモノクローナル抗体を得る予定である。
|
-
[Publications] 森木隆典,村田 満: "一次止血反応-血管,血小板,von Willebrand因子" medicina. 33巻7号. 1243-1246 (1996)
-
[Publications] 森木隆典,池田康夫: "血小板膜糖蛋白質GPIb/IXを介するシグナル伝達" Molecular Medicine. 33巻8号. 918-922 (1996)
-
[Publications] 森木隆典,池田康夫: "出血・血栓性疾患 -出血・凝固・線溶検査を中心に-" 臨床成人病. 27巻1号. 159-163 (1997)