1996 Fiscal Year Annual Research Report
培養ヒト食道上皮細胞、線維芽細胞を用いた組織再構築型人工食道の開発
Project/Area Number |
08770998
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三木 浩榮 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90245522)
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Keywords | 人工食道 / 線維芽細胞 / ヒト食道上皮細胞 / コラーゲンゲル / 細胞培養 / 腹直筋弁 / 管腔 / 移植 |
Research Abstract |
組織再構築型人工食道の開発の為,正常ヒト食道上皮細胞,正常ヒト線維芽細胞を用い以下の実験を行つた. (方法)30mmのdish上で,PGA meshとヒト食道粘膜固有層由来の線維芽細胞8×10^5個/mlを包埋した豚腱由来TypeIaコラーゲンゲル2mlをゲル化させ,その上面に食道新鮮切除標本の正常食道粘膜を酵素処理して得られた食道上皮細胞2×10^5個/cm^2を播種した. Keratinocyte growth mediumと10%FCS添加Dulbecco MEMにより,上皮細胞がconfluentになったところで,dishより剥離し,2cm平方にトリミングしたものの両端を縫合し管腔を作製した.この管腔をヌードラット腹直筋弁に移植した. (結果)移植後7日目にヌードラットより,腹直筋弁に被覆されたPGAメッシュチューブを摘出したところ,長径2cm,内径6mmの管腔が作製されていた.組織像では,内腔は全周性に重層化したヒト食道上皮細胞で被覆され,管腔の狭窄はみられなかった. 外側より筋層,PGAメッシューコラーゲン複合体,線維芽細胞包埋コラーゲン層,培養ヒト食道上皮細胞が層構造となり正常の食道組織に類似した構造が再構築された.強拡大像においては,線維芽細胞包埋コラーゲン層の上方に,食道上皮細胞が8層以上に重層化して,細胞の形態も分化傾向を示した. 移植後14日目に摘出した管腔の組織像では,内腔は全周性に約20層に重層化したヒト食道上皮細胞で被覆され,間質への慢性炎症性細胞の浸潤は軽度で,新生血管の増生を認めた.移植後23日目においても管腔は維持された.
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