1996 Fiscal Year Annual Research Report
心筋虚血再灌流障害におけるライソゾーム障害防止に関する研究
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08771015
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
湖東 慶樹 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (80272904)
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Keywords | 心筋虚血 / 再灌流障害 / ライソゾーム障害 |
Research Abstract |
【研究概要1】 虚血心筋のライソゾーム障害に関して、再灌流前後での心筋組織内ライソゾーム障害を生化学的及び微細構造的に検討した。対象はSprague-Dawley系ラットである。生化学的検討は心筋をホモジナイズした抽出液よりライソゾーム酵素を抽出して行った。酵素活性はライソゾーム顆粒から細胞質へ遊出した酵素分画(NS分画)と顆粒中の酵素分画(S分画)に分けて抽出した。測定した酵素はライソゾーム酵素として代表的なacid phosphatase(AP)とβ-glucronidase(BG)であった。微細構造の検討は電子顕微鏡を用い、金属塩法によりAPを組織細胞化学的に検出しライソゾームを同定した。結果:ライソゾーム酵素の細胞質への遊出率による比較では再灌流前ではAP活性で54.5±4.4、BG活性で40.3±3.6であった。再灌流後ではAP活性66.6±4.3、BG活性46.6±5.3(%)であり、APで有意(p=0.03)に高値を示した。微細構造的検討では再灌流後では基質が不均一な二次性ライソゾームが多く検出された。 【研究概要2】 University Wisconsin液(UW液)を用いた6時間の心臓保存時に、ライソゾーム膜の安定化作用を持つウリナスタチン(Us)を添加し、その保護効果を検討した。対象はSprague-Dawley系ラットで、無処置をN群、UW液にUsを10万単位/L添加した群をCP群、心臓摘出前にUsを5万単位/kg経静脈投与した群をIV群とした。結果、ライソゾーム酵素の細胞質への遊出率による比較では、Cathepsin Dでcontrol群が55±10%であったのに比しCP群が39±4%、IV群が40±6%と有意に(p<0.01)低値を示した。保存液中のCPK活性もCP群とIV群がcontrol群に比し有意(p=0.04)に低値であった。今回の結果ではウリナスタチンなどのprotease inhibitortの虚血前投与は心筋細胞質内の活性proteaseの抑制に有効であり、その結果として心筋保護効果が認められると推定された。
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Research Products
(1 results)