1996 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋心室を用いた完全埋め込み型循環補助システムの開発
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08771035
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小柳 勝司 東京慈恵会医科大学, 心臓外科, 助手 (60225589)
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Keywords | Cardiomyoplasty / Skeletal muscle Ventricle |
Research Abstract |
実験方法:ビ-グル犬(体重12kg程度)を用いて完全右心バイパスモデルについて検討した。全身麻酔下に左側広背筋を全周にわたって剥離、胸背動静脈神経のみを温存した有茎フラップとした後、容量20mlのゴム製バルーンにフラップを巻きつけ骨格筋心室(SMV)を作製し、骨格筋刺激用電極2本をSMVに縫着した後、第2肋骨切除部より左胸腔内にSMVを挿入固定した。心拍同期式骨格筋刺激装置と電極を接続、同装置を胸壁皮下に設置し初回手術を終了。術後2週間のvascular delay期間の後8週間のelectrical preconditioningを施行。トレーニング終了後、胸骨正中切開にてSMVを露出。ついで人工心肺駆動下に右室自由壁を可及的に切除し三尖弁を閉鎖。同種大動脈弁付きホモグラフトの大動脈弁側を右房に、末梢側を肺動脈弁輪に縫着し、ホモグラフト中央部とSMVを接続して右房-SMV-肺動脈の右心バイパスルートを作製した。大動脈圧、肺動脈圧、中心静脈圧、肺動脈血流量をモニターとし、人工心肺をweaningしつつSMVを駆動し、完全肺循環代行の可能性につき検討した。 結果:SMV駆動により大動脈圧は62/38mmHgから88/43mmHg、肺動脈圧は22/19mmHgから41/18mmHgへとそれぞれ上昇し、平均中心静脈圧は18mmHgから13mmHgに低下した。 まとめ:骨格筋心室(SMV)による完全肺循環が可能であることが示唆された。
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