1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771091
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
古屋 一英 帝京大学, 医学部, 助手 (40281373)
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Keywords | facial ischemia / neuronal plasticity / growth-associated protein GAP-43 / middle cerebral artery occlusion |
Research Abstract |
ハロセン吸入麻酔下に10週齢雄性S-Dラットの左中大脳動脈を閉塞し、6時間、24時間、48時間、96時間目に潅流断頭し、パラフィン包埋し、5μmの切片を作成し、予備実験で確認された海馬を含むスライスを用いGAP-43メッセンジャーRNAの発現を確認するためin situ RT-PCR(reverse transcriptase polymerase chain reaction)を行った。シグナルの検出はラジオアイソトープを用いないdigoxigeninをhaptenとしたアルカリフォスファターゼによる発色を利用した。当初の実験では、非特異的シグナルの増強が強く、まずこれを除去する至適条件の設定に時間を費やした。親水処理後、塩酸処理による塩基性タンパクの除去、parafolmaldehydeによる後固定により組織を安定化し、グリシン処理により荷電を中和することで、非特異的シグナルは有意に減少したが、今度は目的とするメッセンジャーRNAの発現を見ないため、一部の報告で発現が確認されているbcl-2及びp53の発現も同様に調べたがシグナルを得られなかった。 従って、「梗塞巣周囲の神経細胞にGAP-43メッセンジャーRNAが発現している」とする作業仮説を否定することはできず、現在その原因を探究中である。原因としては、(1)プライマーが不適切である(2)組織に作用される蛋白分解酵素proteinase Kの濃度が不適切である、ということが考えられる。(1)については一般的に何種類ものプライマーを用いても成功するのはごく一部である、という現時点での方法論的な限界と(2)については対象となる組織によってproteinase Kの至適濃度が大幅に異なる、という事実に基づいている。今後は複数のプライマーを用い、proteinase Kの濃度を変化させてシグナルを検出したいと考えている。
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Research Products
(1 results)