1996 Fiscal Year Annual Research Report
大槽内マイクロバルーンによる新たなラット水頭症,水髄症,キアリ奇形モデルの開発
Project/Area Number |
08771095
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
日たか 充 東海大学, 医学部, 助手 (90256123)
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Keywords | 水頭症 / 水髄症 / ラット / マイクロバルーン |
Research Abstract |
シリコン製のマイクロバルーン3種を製作した.小;短径0.7mm,長径1.5mm,バルーン最大容積0.3ml,以下同様に,中;0.9mm,2.5mm,0.5ml,大;1.35mm,2.5mm,0.6ml.各サイズにつき5匹の成熟ウイスターラットを用いた.ネンブタール腹腔内注射による麻酔下,後頭骨に小孔を穿ち,マイクロバルーンを挿入し大槽に留置させたのちに膨張させた.バルーン内注入物質の選択については,ゆっくり膨張させることができかつレントゲンによる位置確認のためのradio-opaqueな物質として,リビオドールが最適であった.注入量については,頭蓋内では,小;0.03ml-,中;0.05ml,大;0.06mlが限度あった.それ以上の拡張はバルーンの破裂か脳幹圧迫によるラットの死亡をきたした.急な拡張はCushing現症を来たすことがわかったため,注入には1分以上かけることが必要であった. 第三週目まで生存でき,histologyを得られたラットは小サイズでは1匹,中では2匹,大では4匹であった.レントゲン撮影ではバルーンは後頭骨下縁直下に存在していたものの,ミクロレベルではバルーンの正確な留置は難しく,左右上下方向へのずれにより,必ずしも第四脳室出口を圧迫しておらず,小脳実質の圧迫に留まる例が多かった.頭蓋骨上ではバルーンチューブを確実に固定したが,頭蓋内では生存期間中にドレーンの遊操がおきているためと考えられた.このため十分な脳室拡張や脊髄中心管の開大を得ることはできなかった.病理標本では,圧迫による細胞の壊死化を認めた. 今後,パルーンの形状を改良し長期間の確実な留置をめざしたい.
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