1996 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチ患者に対する経口的II型コラーゲンの効果とHLA-DRB1遺伝子型
Project/Area Number |
08771160
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
戸田 佳孝 関西医科大学, 医学部, 助手 (20247927)
|
Keywords | 慢性関節リウマチ / II型コラーゲン / 遺伝子 |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ(以下、RA)患者に対する経口II型コラーゲン(以下、CII)の効果をHLA-DRB1*0405遺伝子を有する群(以下、0405群)とそれを有しない群(非0405群)に分類して評価した。38例のRA患者を対象に無作為に、32mgのCIIを含む鶏軟骨ス-プを3ヶ月間投与した群(CII群)と、placeboス-プを投与した群に分類した。観察中は種々の臨床評価項目とともに、米国Chondrex社に依頼して、ELISA法を用いて、鶏のII型コラーゲン(以下、c-CII)、豚のII型コラーゲン(以下、p-CII)、牛のII型コラーゲン(以下、b-CII)、および人のII型コラーゲン(以下、h-CII)に対する血清中のIgGおよびIgA抗体値を測定し、ス-プ投与前と投与後のそれぞれの値をHLA-DRB1遺伝子型別に比較した。 結果として、0405/CII群は11例、0405/placebo群は11例、非0405/CII群は9例、非0405/placebo群は9例であった。CII群では、placebo群に比べて、有意にh-CIIに対するIgG抗体値が低下し(p<0.0001)、h-CIIに対するIgA抗体値が増加した(p=0.003)。腫脹および疼痛関節数の変化は、0405/CII群と0405/placebo群間(腫脹関節数p=0.03、疼痛p=0.03)、0405/CII群と非0405/CII群間(腫脹p=0.006、疼痛p=0.01)に有意差があったため、HLA-DRB1*0405遺伝子陽性の症例では経口CII療法が有効であると結論した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 戸田佳孝他: "慢性関節リウマチ患者のHLA-DRB1対立遺伝子型と鶏軟骨ス-プを用いたIIコラーゲンによる経口トレランスの関連性について" 日本臨床免疫学会誌. 20. 101-107 (1997)
-
[Publications] Yoshitaka Toda et al.: "The relationship between HLA-DRB1 genotype and progression of bone destruction with rheumatoid arthritis" Japanese Journal of Rheumatology. 6. 363-371 (1996)