1996 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔下の家兎の血管収縮、shiveringに及ぼす老化の影響
Project/Area Number |
08771180
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
松川 隆 山梨医科大学, 医学部, 講師 (80209519)
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Keywords | 体温 / 血管収縮 / シバリング / 体温調節 / 老化 / ウサギ |
Research Abstract |
麻酔管理において体温はルーチンに測定される。術中の体温低下は我々麻酔科医が常日頃遭遇することである。その結果中枢-末梢温度較差の増大、麻酔覚醒時のshiveringの発生などをみる。特に老人では、全身麻酔下に低体温を来すことが多く、それによる術後の覚醒遅延も良く経験される。現在までに加齢によって血管収縮の閾値が低下したという報告はあるが、老化のshiveringへの影響および各種吸入麻酔薬による差異についての研究は未だなされていない。我々は、この基礎的実験により同一条件下において吸入麻酔薬および老化が、体温調節反応である血管収縮およびshiveringへどのような影響を及ぼすかを検討した。 方法:1.雄性ウサギ(成兎)を笑気-酸素-イソフルランによるマスク下で緩徐導入し気管内挿管後、酸素-イソフルラン下の自発呼吸とした。2.右大腿動脈にカニュレーションし、動脈圧・心拍数・呼吸数および体温(直腸・食道・耳介)を連続的に測定し、マイクロコンピュータにて連続的に記録した。3.室温を24〜26°Cに保ち、イソフルランの呼気終末濃度を各々0.1、0.2、0.4MACの3段階とした。4.体温および循環動態安定後、直腸内に挿入したU字型ポリエチレンサーモードを用いて10°Cの冷却水を持続潅流して直腸内強制冷却を行った。5.耳介皮膚温の低下(末梢血管収縮)およびshiveringの発生が始まる食道温を各々の閾値温度とし、その絶対値および冷却開始からの変化温度を測定した。6.血圧・心拍数・血液ガスを、冷却開始前、末梢血管収縮開始時およびshivering開始時の3時点で測定した。以上の方法により成ウサギにおけるイソフルラン下のshiveringの閾値温度の変化を検討してきた。 今後は老化ウサギに同様の検討を加えることにより、通常ウサギ(成兎)と老化ウサギにおける差異を詳細に比較検討していく予定である。
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