1996 Fiscal Year Annual Research Report
心原性および敗血症性ショックにおける経皮的炭酸ガス分圧の変化
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08771218
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉岡 真実 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10230690)
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Keywords | 心原性ショック / 敗血症性ショック / 混合静脈血炭酸ガス分圧 / 胃粘膜炭酸ガス分圧 / 経皮的炭酸ガス分圧 |
Research Abstract |
実験動物として心原性ショック、敗血症性ショックともに、体重約2.5kgの日本家兎を各6羽ずつ用い、全身麻酔下、調節呼吸の条件で以下の実験を行った。 心原性ショックモデルは、血圧が対照値の30%程度になるように心タンポナ-デを起こし、2時間の観察を行った。動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)は経過を通じてほぼ一定であったのに対し、混合静脈血炭酸ガス分圧(PvCO2)は漸増し、40分後に(41.0±6.2torrから57.0±13.4torrへ)有意に上昇した。胃粘膜炭酸ガス分圧(PiCO2)、経皮的炭酸ガス分圧(PtcCO2)はPvCO2より急峻に、両者ともほぼ一致して増加し、PiCO2は20分後に(37.5±6.4torrから51.3±12.5torrへ)、PtcCO2は40分後に(37.8±5.9torrから67.3±25.2torrへ)、有意に上昇した。またPiCO2とPvCO2、PtcCO2とPvCO2、PtcCO2とPiCO2の間にはそれぞれr=0.86、r=0.71、r=0.91の相関関係があった。 敗血症性ショックモデルは、Lipopolysaccharide 20mg/kgを静脈内投与し、2時間の観察を行った。PaCO2は20分後に軽度上昇し、その後減少傾向を、PvCO2は全経過を通じて上昇傾向を示したが、有意な変化なかった。PiCO2はPvCO2より急峻に増加し、40分後に(41.3±8.5torrから59.3±12.3torrへ)、PtcCO2はさらにPiCO2より急峻に増加し、60分後に(45.2±13.1torrから90.8±37.7torrへ)有意に上昇した。またPiCO2とPvCO2、PtcCO2とPvCO2、PtcCO2とPiCO2の間にはそれぞれr=0.69、r=0.82、r=0.91の相関関係があった。 以上より、PtcCO2はPiCO2よりも測定値のばらつきが大きいことに注意の必要があるものの、心原性ショックにおいてはPiCO2と同等に重症度を反映し、敗血症性ショックにおいてはPiCO2より鋭敏に重症度を反映するパラメーターであると考えられた。
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