1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771263
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
秋山 欣也 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (30263833)
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Keywords | ガンマ型インターフェロン / 腎細胞癌 / 抗原提示 / プロテアソーム / LMP7 / サブユニットX |
Research Abstract |
1,ガンマ型インターフェロン誘導型プロテアソームの発現の検討 腎細胞癌の手術摘出標本よりRNAを抽出し、RT-PCR法を用いてプロテアソームのサブユニットでガンマ型インターフェロンによって誘導されるLMP7と発現の抑制されるサブユニットXの発現を検討した。 恒常的に発現しており、一般の蛋白分解を担っていると考えられているサブユニットXはいずれの症例でも発現は一定していた。それに対してLMP7は特に抗原提示に必要なペプチドを産生する際に必要と考えられており、その発現の程度は個々の症例で様々であり、腫瘍部においてLMP7の発現の認められない症例もあった。しかしながら、発現の程度と腫瘍のstage,gradeとの相関は認められなかった。一方、正常腎部では発現は認められず、腎の良性腫瘍においてもその発現は認められなかった。 2,腎細胞癌における免疫療法の適応決定因子としてのガンマ型インターフェロン誘導型プロテアソームの有用性の検討 1,で検討したように腎細胞癌では生体の防御機構の一つとして抗原提示機構が既に活性化されている症例がほとんどであり、このことは開発時にその効果が非常に期待されたガンマ型インターフェロンの成績がよくなかった結果とよく合致している。しかしながら、腎細胞癌症例のうち、原発巣においてLMP7の発現の認められない症例でしかも転移巣などを有し、今後インターフェロン療法が必要と考えられる症例においてはガンマ型インターフェロンが奏功を示す可能性が考えられる。この様な症例に対して現在α型インターフェロンにて治療中であるがこの治療効果が不十分な場合、さらにガンマ型インターフェロンを併用投与を予定している。この治療効果を通してガンマ型インターフェロンを投与するか否かの決定因子としてLMP7などガンマ型インターフェロンにより誘導される因子の発現の有用性を検討する予定である。 以上の内容については1997年4月のAmerican Urological Association meetingにおいて発表予定である。
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