1996 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱内反型乳頭腫におけるウィルスゲノムと細胞間接着因子に関する検討
Project/Area Number |
08771280
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
兵地 信彦 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30275896)
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Keywords | 膀胱 / 内反性乳頭腫 / ウィルスゲノム / PCR |
Research Abstract |
膀胱内反性乳頭腫5例について手術標本からゲノムDNAを抽出し,ヒトパピローマウィルスとEpstein-Barrウィルスのプライマーを用いてPCR法により増幅し,DNAの増幅を確認した. 【方法】過去に当院で切除され病理組織学的に膀胱内反性乳頭腫と診断された症例のパラフィン切片を5μmの厚さに切り出し,キシレン・純エタノール・70%エタノールを用いた脱パラフィンした.各切片は乾燥後に1×PCRバッファーと0.5%Tween20・0.5%Triton X-100・100μlのproteinase Kからなる500μlのバッファー内で56℃,12時間処理し,12,000rpm・10分間遠心して上層10μlに溶解したゲノムDNAをPCR法に用いた.ヒトパピローマウィルスについてはHPVpF(5'-AAGGGCGTAACCGAAATCGGT-3')・HPVp16R・HPVp18R・HPVp33RをプライマーとするTaKaRa PCR Human Papillomavirus Detection Setを使用し,Epstein-Barrウィルスに関してはEBNA-1(5'-GTAGAAGGCCATTTTTCCAC-3')とEBNA-2(5'-CAGGTACATGCCAACAACCTT-3')をプライマーとした.PCR法はTag polymeraseとdNTPを加え,94℃・30秒,55℃・2分,72℃・2分の条件で30サイクルの増幅を行った.反応終了後,PCR産物をエチジウムブロマイドを含むアガロースゲルで電気泳動し,DNA増幅を確認した. 【結果】5例全例でヒトパピローマウィルスとEpstein-BarrウィルスのプライマーによるDNAの増幅は確認されなかった.膀胱内反性乳頭腫のDNAには,両ウィルスのDNAは組み込まれていないと判断された.
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