1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771295
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
河 源 関西医科大学, 医学部, 助手 (10268344)
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Keywords | 精巣上体 / 酸性化 / 液胞型プロトンATPase / mitochondria rich cell / 精子 / 免疫組織科学 |
Research Abstract |
性成熟齢にあるラット雄の精巣上体における液胞型プロントATPaseの局在について、免疫組織学的に観察、検討した。精巣上体上皮を構成する細胞のうち、mitochondria rich cellと呼ばれる細胞に特異的に、しかも高度に発現しているのが観察された。また、その細胞内局在は、管内側膜上およびその直下であることが観察された。これらの結果から、精巣上体管内腔は、mitochondria rich cellの液胞型プロトンATPaseにより酸性化が行われているものと考えられた。また、mitochondria rich cellは、精巣上体尾部に進むに従い、他の上皮細胞に較べてその数的割合を増すことから、頭部、体部、尾部へと進むにつれ、活発に内腔酸性化が行われているものと推察される。精子の運動能は、酸性環境で低下するとの報告がなされており、液胞型プロトンATPaseによる精巣上体内腔の酸性化は、射精までの精子の不動性の保持にあるものと考えられた。液胞型プロトンATPaseの特異的阻害剤であるバフィロマイシンA1の投与による精子成熟に及ぼす影響については、現在至適投与量についての検討を行っている。
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