1996 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠・周産期にみられる睡眠障害についての基礎的研究
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08771311
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木村 昌由美 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (40216859)
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Keywords | 妊娠 / 出産 / 睡眠障害 / 睡眠一覚醒パターン / 脳温 / サイトカイン / ホルモン / ラット |
Research Abstract |
妊娠に起因する生理・病理的変化は数多く、代謝、心臓血管系、内分泌機能などについては広範囲に研究されているにも拘わらず、妊娠と睡眠の相関解析を行った研究報告は大変少ない。本研究では動物モデルを用い、1)同一ラットにおける妊娠の進行過程(約21-22日間)に付随した睡眠変化を調べ、2)その変化がどのホルモン分泌パターンと同期するかを検討した。3)妊娠発生に特異的な生殖器官由来のサイトカインについて、その睡眠活性を分析した。 1)妊娠前4日間の性周期間における睡眠一覚醒パターンを対照とし、妊娠後のそれらと比較した。夜間ノンレム睡眠に関しては全体的に有意な増加(22%増)がみられた一方、レム睡眠に関しては妊娠前期にのみ過剰値(58%増)を示した。この動物実験のデータより、実際妊娠の睡眠欲求は絶えず高いことが明らかとなった。 2)妊娠直後(交尾後)に劇的に上昇する血清プロラクチンをプロモクリプチン(1mg)の反復投与により阻害すると、妊娠に起因して増加した総睡眠量は現象し(ノンレム睡眠:-128%,レム睡眠:-64%)、排卵が復活するとともに性周期に準じた睡眠パターンが再現した。したがって、プロラクチンは妊娠に伴う過剰睡眠の一つの睡眠因子であると考えらえる。逆に睡眠を剥奪すると、妊娠に悪影響を及ぼし流産を引き起こしかねない可能性があるだろう。 3)顆粒球/マイクロファージ.コロニー刺激因子(GM-CSF)は妊娠初期に多量産生されるサイトカインである。これを雄ラット脳室に投与すると(10^<11>M)、夜間ノンレム(27%増)レム睡眠(187%増)の有意な増加がみられた。このGM-CSFは下垂体からの黄体ホルモン分泌を促進したが、卵胞刺激ホルモンの分泌に大して影響を与えなかった。サイトカインが妊婦の睡眠に関与するならば彼らの睡眠障害は免疫系の病理変化が一因するとも考えられる。健康な妊婦の維持に深い睡眠は極めて重要で生体御の理論からも妊婦は十分な睡眠の獲得を指導されるべきである。
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[Publications] Mayumi Kimura: "Pregnancy-associated sleep changes in the rat." American Journal of Physiology. 271. R1063-R1069 (1996)
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[Publications] Wen H.Yu: "Effect of somatostatin on the release of gonadotropins in male rats." Proc.Soc.Exptl.Biol.Med.214. 83-86 (1997)
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[Publications] Shi-Qing Zhang: "Bromocriptine-induced blockadde of pregnancy afects sleep patterns in rats." Neurommunoimodulation. 3. 219-226 (1996)
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[Publications] Wen H.Yu: "Role of lepton in hypothamic-pituitsry function." Proc.Nacad.Sci.USA. 94. 1023-1028 (1997)
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[Publications] 木村昌由美: "現代のエスプリ" 至文堂, 14 (1997)