1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771387
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
杉内 友理子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30251523)
|
Keywords | 垂直サッケード / 眼球運動 / 上丘 / WAG-HRP / Biocytin |
Research Abstract |
本研究は、垂直性サッケードを発現させる核上性眼球運動中枢に関わる中脳の神経機構を明らかにすることを目的として実験を行った。 クロラロース麻酔をしたネコを用いて、上丘の各部位を微少刺激し、どのような眼球運動が引き起こされるかを観察した。さらに両眼において各6個の外眼筋の神経を剖出し、それらの神経活動を記録し、上述の方法で決定した垂直性眼球運動を引き起こす上丘の領域を微少電気刺激することによって、外眼筋神経のうちにずれが活動するかを明らかにした。 次に、ある外眼筋の運動細胞を支配する核上性細胞がどこにあるかを明らかにした。ネンブタール麻酔下のネコにおいて、上方または下方視の眼球運動に関与するそれぞれの外眼筋の神経に逆行性神経追跡物質であるwheatgerm agglutinin conjugated to horseradish peroxidase(WGA-HRP)をとりこませた。WGA-HRPは、transsynapticにも神経細胞に取り込まれることが知られている。これにより、それぞれの外眼筋の運動細胞を支配する核上性細胞がどこにあるかを明らかにした。 前述の方法を用いて上丘を電気刺激し、各ネコで、ある方向の眼球運動が起こる部位を同定し、そこに順行性に神経細胞を標識するBiocytinを微量注入し、上丘からの出力細胞の収支する脳幹の部位を同定した。 次に同一のネコで、上丘にBicytinを注入すると同時に、WGA-HRPを外眼筋神経に注入した。従来の方法では、WGA-HRPとBiocytinのそれぞれの染色方法を、そのまま組み合わせても同一の切片で両者を同時に染色することはできなかったが、種々の条件を検討し、一枚の切片で両方の染色が可能となるような条件を編み出すころができた。この方法を用いて、同一の切片からの神経終末を受ける動眼神経細胞に投射する核上性細胞を現在解析中である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Y.Shinoda,Y.Sugiuchi T.Futami,S.Kakei,Y.Izawa: "Four convergent patterns of input from the six semicicular canals to motonyrons of different neck muscles in the upper cervical cord." Annals of the New York Academy of Sciences. 781. 264-275 (1996)
-
[Publications] Y.Izawa,Y.Sugiuchi and Y.Shinoda: "Interneurons mediatiug signals from the suprior colliculus to horizontal ocular fnotoneurons." Neuroscience Research. Suppl 20. S72- (1996)
-
[Publications] 杉内友理子、篠田義一: "運動制御にかかわる脊髄神経機構(11)体幹筋および上肢への前庭脊髄投射系" 積椎脊髄ジャーナル. 9. 302-308 (1996)
-
[Publications] 杉内友理子、篠田義一: "運動制御にかかわる脊髄神経機構(12)半規管から頚節への入力" 積椎脊髄ジャーナル. 9. 529-537 (1996)