1996 Fiscal Year Annual Research Report
低血圧麻酔の蝸牛におよぼす影響に関する研究-蝸牛血流量および音響外傷受傷性の変化について
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08771444
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
越智 健太郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20214158)
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Keywords | 蝸電図 / 低体温 / 低血圧 / CAP 順応現象 |
Research Abstract |
実験動物にはモルモットを用いる。気管切開を行いレスピレーター(現有設備)にて呼吸管理をして、全身麻酔を行う。この際、体温は保温マットで一定に保つように下が、体温が以下の記録に対しかなりの影響を及ぼすことが判明したため、まず体温による変化を検討した。 蝸電図記録は以前の報告と同様の方法(越智ほか、1993,1994;越智1995;Ochi K et al,1993)で、刺激発生装置等を用いクリック、短音を発生させ、CAP(compound action potential),CAP adaptation,SP (summating potential) ,CM (cochlear microphonics)を記録した。記録は、乳突骨胞を開放し正円窓誘導法にて行い、蝸牛血流量(CBF)の測定は、開放した乳突骨胞から蝸牛骨壁上でレーザードップラー法にて測定した。まず正常体温におけるCAP,CAP adaptation,SP,CM,CBFを記録した。その後低体温として、CAP,CAP adaptation,SP,CM,CBFの変化を検討した。 低体温下では、CAPの閾値には変化を認めない程度の体温低下でも振幅の減少を認め、CAP adaptationにも有意な変化、すなわちCAP adaptationが起こりにくくなる現象を認め、第41回日本聴覚医学会総会(京都)において発表した。 現在、トリメタファンにて低血圧麻酔を行い同時に全身血圧をモニターし、その蝸牛機能におよぼす影響について検討中である。 さらに低体温、ステロイド剤の強大音に対する防御機能についても検討を加える予定である。
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Research Products
(1 results)