1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771529
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山田 昌和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50210480)
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Keywords | 角膜上皮細胞 / 角膜実質細胞 / 細胞増殖 / epidermal pentapeptide |
Research Abstract |
Epidermal pentapeptide(以下、EPPと略す)は1987年にReicheltらによりマウス皮膚より分離、精製された分子量517のペプタイドであり、皮膚や食道上皮細胞の細胞増殖を抑制することが知られている。EPPの角膜上皮細胞、実質細胞の細胞増殖に与える影響をラット由来の培養細胞系を用いて検討した。 実験にはSprague-Dawleyラットから得られた初代培養角膜上皮細胞と継代角膜実質細胞を用い、5%ウシ胎児血清を含むDMEM/Ham′sF-12に10^<-6>から10^<-14>Mまでの種々の濃度のEPPと1μMのcolchicineを加えた培養液中で培養した。6時間後に培養細胞を酢酸アルコールで固定しaceto-orcein染色を行い、コルヒチンによりM期で停止された細胞分裂像(c-mitosis)を光学顕微鏡下で計測することにより、細胞増殖頻度を求めた。 培養角膜上皮細胞では、対照での細胞増殖頻度は31.3±1.5/mm^2/hourであったのに対し、EPPの存在下では10^<-8>Mの濃度で18.3±2.7、10^<-10>Mの濃度で16.2±1.7と細胞増殖頻度は有意に低下した。細胞増殖頻度は10^<-6>M、あるいは10^<-12>M以下のEPP濃度では有意の変化を示さず、全体としてbell shapeの用量反応曲線を示した。EPPを2時間毎に加えるとより低濃度(10^<-12>M)でも細胞増殖を抑制するようになり、EPPを加えない培養液に交換すると細胞増殖は対照と同等のレベルに復した。EPPの作用時間は短く、その作用は可逆的であることが示唆された。EPPは10^<-6>から10^<-14>Mの濃度では培養角膜実質細胞の細胞増殖には全く影響を与えなかった。EPPの細胞増殖抑制作用は角膜上皮細胞に特異的であり、選択的に角膜上皮細胞の増殖を抑制できる可能性が示された。
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Research Products
(1 results)