1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト唾液腺導管stem cellの腺房細胞への分化誘導
Project/Area Number |
08771574
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大倉 正也 大阪大学, 歯学部, 助手 (10281130)
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Keywords | 唾液腺細胞 / 分化誘導 |
Research Abstract |
無血清培地へ5%胎仔血清(FBS)添加で唾液腺導管stem cellはtpye IV collagen合成量が約半分に低下し、総蛋白合成当たりのtpye IV collagen合成比率は16%から10%になった。これに対し、細胞骨格合成量はFBS添加だけでは初期には変化がなかったが、無血清培地中のEGFを抜くことで細胞骨格合成は低下した。また、FBS添加し、EGFを抜いて後7日目にはアミラーゼのmRNAの発現増強がRT-PCR法によって確認された。このことより、FBS添加による腺房細胞への分化は直接的では無く、initiationあるいは間接的であると考えられた。また、tpye IV collagenの合成低下は唾液腺の基底側から管腔側方向への分化と考えられるし、さらにFBS内にも基底膜蛋白が存在することによるnegative feed backとも考えられる。そこで腺房細胞への分化が、基底膜蛋白によって起こるかを確認した。まず、細胞をマトリゲル内で培養すると、アミラーゼを強発現した。また、マトリゲル上で培養すると、細胞形態変化が起こり、アミラーゼを強発現した。そこで基底膜蛋白のtype IV collagenとラミニンを培地中に添加したが、分化は起こらなかった。しかし、ラミニンをシャーレにcoatすると分化が誘導された。これらの結果により、唾液腺導管stem cellは、基底膜を合成し、この基底膜蛋白とreceptorを介して接着することで管腔側細胞しいては腺房細胞へ分化することが示された。今後、他の基底膜蛋白でも分化誘導が起こるのか、またこの分化誘導にどんなシグナル伝達が関与しているのかを研究する予定である。
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