1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヘッジホッグの構造と機能:間質細胞-破骨細胞相互作用制御因子の分子生物学的解析
Project/Area Number |
08771583
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
真野 博 明海大学, 歯学部, 助手 (20265359)
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Keywords | 骨 / 破骨細胞 / 間質細胞 / リコンビナント / 遺伝子発現 / ビタミンD / ヘッジホッグ / N端 |
Research Abstract |
我々が最近確立した成熟破骨細胞の単離培養法により、ビタミンAが直接破骨細胞を活性化し、エストロゲンが破骨細胞を直接不活性することを報告した。さらに、ビタミンDは間質細胞を介し破骨細胞に作用することを見い出した。すなわち、転写因子である核内受容体を介してその生理作用を発揮する脂溶性生理活性物質のうちビタミンA、エストロゲンは直接破骨細胞の作用を調節するが、ビタミンDは間質細胞を介して破骨細胞を活性化することを見い出した。そこで、ビタミンDをツールに、間質細胞由来のビタミンD誘導性破骨細胞活性化因子を検索した。その結果、ビタミンDは間質細胞に作用し、Indianヘッジホッグの遺伝子発現を正に誘導することを見い出した。ヘッジホッグは分泌性のタンパク質で細胞間の情報伝達に関与することが報告されている。そこで、いくつかの研究を行った結果、本年度特に、以下のことをに成功し、明らかにすることができた。 (1)大腸菌を用いワイルドタイプや、ドメインに分けたリコンビナントのヘッジホッグタンパク質の大量作製に成功した。 (2)このリコンビナントヘッジホッグタンパク質をもちいることで、IndianヘッジホッグのN端は破骨細胞を活性化し、骨吸収窩(Pit)を増加させることを見い出した。しかしながら、これは、骨芽細胞にはほとんど作用しないことを見い出した。 (3)さらにリコンビナントヘッジホッグタンパク質をもちい、ヘッジホッグの破骨細胞活性化機構を解析した結果、ヘッジホッグタンパク質は破骨細胞の骨吸収活性に重要と考えられるカテプシンKあるいは、カーボニックアンハイドラーゼIIの遺伝子発現量を増加させることを明らかにした。 以上、間質細胞を介した破骨細胞機能制御にヘッジホッグのN端が関与していることを明らかにした。
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[Publications] S.Iida: "Human calcitonin has the same inhibitory effect on osteoclastic bone resorption by human giant cell tumor cells as salmon calcitonin" Calcif.Tissue Int.59. 100-104 (1996)
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[Publications] K.Takeyama: "Retionic acid differentially up-regulates the gene expression of retinoic acid receptor alfa and ganmma isoforms in embryo and adult rats" Biochem.Biophys.Res.Commun.222. 395-400 (1996)
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[Publications] H.Mano: "Mammalian mature-osteoclasts as estrogen target cells" Biochem.Biophys.Res.Commun.223. 637-642 (1996)
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[Publications] S.Kakudo: "Isolation of highly ridhed rabbit osteoclasts from collagen gels:A new assay system for bone resorbing activity of mature osteoclasts" J.Bone Miner.Metab.14. 129-136 (1996)
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[Publications] T.Kameda: "Vitamin K2 inhibits osteoclastic bone resorption by inducing osteoclast apoptosis" Biochem.Biophys.Res.Commun.220. 515-519 (1996)
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[Publications] 野田政樹: "骨形成・吸収のシグナルと骨疾患:実験医学別冊" 羊土社, 212 (1996)