1996 Fiscal Year Annual Research Report
筋芽細胞から骨芽細胞への分化に伴うBMPレセプターの発現とシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
08771622
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
秋山 修一 昭和大学, 歯学部, 助手 (70276591)
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Keywords | 骨芽細胞 / 筋芽細胞 / 分化 / 骨誘導因子 / 受容体 |
Research Abstract |
我々は、これまでの研究から、筋芽細胞(C2C12細胞)をBMP-2で処理すると、筋細胞への分化が完全に抑制され、骨芽細胞への分化が強力に誘導されることを見いだした。そこで本研究では、BMP-2のレセプターの発現とシグナル伝達機構を解析した。 まず、C2C12細胞におけるBMP-2レセプターの発現をNothern blotにより解析した。その結果、C2C12細胞はBMPR-IA、BMPR-IIを発現していたが、BMPR-IBのmRNAは検出されなかった。次に、C2C12細胞に構成的活性化変異を導入したBMPR-IAとBMPR-IBを発現させたところ、どちらの場合でもBMP-2非存在下でアルカリホスファターゼ(ALP)を発現し、同時に筋細胞への分化が抑制された。また、細胞内キナーゼ領域を欠失させたBMPR-IA(ΔBMPR-IA)をC2C12細胞に発現させたところ、その細胞はBMP-2で処理してもALP陽性の細胞はほとんど出現せず、多核の筋細胞へと分化したが、同様な変異を導入したBMPR-IB(ΔBMPR-IB)ではこのような現象は観察されなかった。さらに、ΔBMPR-IAを安定して発現する細胞株に全長のBMPR-IA、BMPR-IBを高発現させると、BMPR-IAを導入したときのみBMP-2による骨芽細胞への分化誘導が回復した。 以上の結果から、C2C12細胞ではBMP-2による筋細胞への分化の抑制と骨芽細胞への分化誘導シグナルはどちらもBMPR-IAを介して伝達されるが、構成的活性型変異を施したBMPR-IBもBMPR-IAの場合と同様にシグナルを伝達することが明らかとなった。
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