1996 Fiscal Year Annual Research Report
S.mutansピルビン酸ギ酸リアーゼ(PFL)の活性化系に関与する遺伝子の検索
Project/Area Number |
08771623
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山本 康人 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80200848)
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Keywords | Streptococcus mutans / Pyruvate formate-lyase / PFL activeting enzyme / sugar alcohol metabolism |
Research Abstract |
申請者はピルビン酸ギ酸リアーゼ(PFL)遺伝子を欠失したS.mutansより染色体DNAを分離し、制限酵素Sau3Alで完全分解した後、ベクターとしpVA891を用いクローンバンクを作成した.このクローンバンクでS.mutansを形質転換し、染色体DNAにランダム変異を導入した変異株を3,000株ほど分離したが,PFLの活性化系に関与する遺伝子のクローンを分離することは出来なかった. また,PFL activeting enzymeとしてはE.coliに続く2報目の報告がClostridium pasteurianumから本年度なされた為,両者のアミノ酸残基の配列から相同性の高い領域を選びPCR用のプライマーを数種合成し,S.mutans染色体DNAを鋳型としてPFL activeting enzyme遺伝子領域の増幅を試みた.プライマーの組み合わせとアニールの条件を細かく検討し,数種の増幅されたフラグメントをクローニングしたが,目的とするPFL activeting enzyme遺伝子領域と考えられるフラグメントは,今回クローニングしたもののなかには無かった.このことは,S.mutansのPFL activeting enzymeがE.coliやClostridium pasteurianumで報告されたものとは,かなり異なる(S.mutansではPFLの活性化系と嫌気的条件下で働くリボヌクレオチドリダクターゼ{PFLと同じラジカル酵素であり酸素感受性が強い}の活性化系が共通の系であることも考えられ)可能性があることを示唆している.さらに,既に申請者らによって報告されたようにS.mutansのPFL activeting enzyme遺伝子が,E.coliやClostridium pasteurianumのそれがPFLとオペロンを形成してはいないものの直後の下流に見いだされているのとは異なり,PFLの下流の領域には存在しなかったことからも示唆される.
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