1996 Fiscal Year Annual Research Report
フルオロアパタイト生成処置剤が脱灰エナメル質に与える影響
Project/Area Number |
08771667
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池田 考績 北海道大学, 歯学部, 助手 (90222885)
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Keywords | フルオロアパタイト / 再石灰化 |
Research Abstract |
本研究はリン酸2ナトリウムとフッ化ナトリウムの水溶液と塩化カルシウムの水溶液(以下、処置剤)を混合することによりフルオロアパタイトの結晶を生成し、初期齲蝕病変を想定した脱灰エナメル質の微小欠陥を修復することを目的として行われた。 まずガラス管内で処置剤を混合し、生成した沈澱物を遠心分離し、X線回折により分析したところ、フルオロアパタイトかハイドロキシアパタイトの結晶であることが明らかになった。 脱灰エナメル質は乳酸、Ca、P、カルボキシメチルセルロースを加え、pH4.0に調整した人工唾液中にエナメル質ブロックを浸漬して作製した。脱灰エナメル質に処置剤を塗布し、SEMにて観察したところ、表面が細かい粒状の結晶で覆われていることが明らかになった。またブロックの割断面のSEM観察から、結晶の生成がブロックの表層のみに起きていることが示唆された。またX線マイクロアナライザーにより、エナメル質表層下の脱灰された部分は生成した結晶によって再石灰化されていないことがわかった。 現在、結晶生成後のエナメルブロックにさらにpHサイクリングを加えたり、処置剤を再塗布することによる脱灰部分の変化を検討中である。また、処置剤によるエナメル質のフッ素の取り込みについてin vovoで塗布を行い一定の期間を置いた後、マイクロアブレ-ジョンテクニックにてサンプルを採取し、フッ素電極にてフッ素量を測定することにより検討を行う予定である。
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